第2回環境リーダー養成講座開催

みなと区民環境リーダー養成講座の第2回の講義が行われました。講師は、首都大学東京の黒川信助教授。テーマは「港区の自然を知る〜海と干潟の生きもの」。

 

高層ビルの目の前に広がるお台場の砂浜で生きものを観察
高層ビルの目の前に広がるお台場の砂浜で生きものを観察

「たくさんの生きものを見たかったら、どこに行きますか?」こんな問い掛けで始まった黒川講師の講義。まず、生物の系統樹を用いて、進化の歴史を解説。生命が海で誕生し、現在1億種いる生物のほとんどが実は海に生息している事、したがって、お台場の海岸だけでも多様な生物を観察できる事を説明しました。

そして、干潮時に合わせて実際に砂浜に出て生きものを観察。黒川講師の案内に従って波打ち際の砂を掘ると、貝類やゴカイやエビ、カニ類などが、また、岩場ではカキやアメフラシなど、普段目にすることのない多様な生きものが次々と登場しました。

これはスナモグリ。他にもクモガニやマテガイ、クラゲにアメフラシ、ハゼの仲間など、わずか1時間ほどでたくさんの生きものを発見しました
これはスナモグリ。他にもクモガニやマテガイ、クラゲにアメフラシ、ハゼの仲間など、わずか1時間ほどでたくさんの生きものを発見しました

午後は、採集した生きものを室内でじっくりと観察。黒川講師は「ヒトに一番近いのはどれ?」「心臓があり、血が流れているのは?」などの視点を持って観察するよう指示。実はホヤなどの原索動物がヒトに近かったり、ほとんどの生きものがヒトと共通点を持っていることなど、受講生にとって驚くことばかりでした。

また、海水に米のとぎ汁をまぜた液体を濃淡2種類用意し、その中に貝を入れてどうなるかも実験。濃度の低い方は、すぐに水が奇麗になり、貝が栄養分を食べて海水を浄化する働きがあることを確認。濃度の高い方は見た目には変化に乏しく、「あまり汚れると浄化できないのでは」との反応が受講生に見られましたが、黒川講師は「人間の目には見えにくくても、同じ分だけ浄化されている。よく観察する事が重要」と指摘。結局、海の環境改善には生物の力が欠かせず、そのためには人間は海草を植えるなどして生物が住める環境を整えなくてはならないと解説しました。

参加者は「こんな近くで多様な生物が見られることに驚いた」「人間と他の生きものがそんなに変わらないと知った」と振り返り、干潟を通して自然環境の縦(時間)と横(種)のつながりを感じとった様子でした。