あきる野の里山で竹林整備

作業を始めるまえに竹の種類の見分け方を教えてもらいました。雨が降っているので、全員雨着を着用して準備万端です。
作業を始めるまえに竹の種類の見分け方を教えてもらいました。雨が降っているので、全員雨着を着用して準備万端です。

10月27日(土)、あきる野市菅生地区で、里山自然体験を実施しました。

10月27日(土)、東京都あきる野市菅生地区で今年2回目の里山自然体験を行いました。季節外れの台風の影響で雨となったため数名のキャンセルがありましたが、19名の参加者が竹林整備を中心に里山の秋を体験しました。

今回、菅生で受けいれてくれたのは「自然の学校」の校長浅原さんたちリーダー4人です。「自然の学校」は菅生を中心に17年前から小中学生を対象とした自然体験プログラムを実施しているボランティア団体です。リーダーと呼ばれるスタッフの人たちは、普段仕事をしながら週末を中心に活動を続けています。

ほとんどの人が竹林整備は初めてでしたが、とても楽しんでいました。
ほとんどの人が竹林整備は初めてでしたが、とても楽しんでいました。

菅生での里山体験は昨年度の冬にも実施し、山登りや自然観察を行いました。今回は楽しい体験で終わるだけではなく、より里山について知ってもらいたいと、「竹林の整備」作業がメインのプログラムとなりました。
菅生でも過疎高齢化が進んでいて、地主さんが手入れをやりきれない竹林が何カ所かあるそうです。その一つで自然の学校の畑の近くの竹林が今回のフィールドです。
最初に浅原さんから竹の種類や整備の意味の説明と、田中さんからノコギリの使い方や枝払いの仕方の指導がありました。今回の竹林にはマダケ、ハチク、モウソウチクの3種類の竹が生えており、太さや節の長さによって簡単に見分けることができます。竹は成長がとても早いためどんどん増えていくけれど、森林と同じようにある程度は間伐をして光が届くようにすることが大事だそうです。日本人にとってはとても身近な竹ですが、ほとんどの人は初めて知ったようでした。また、杉など木の間伐作業などの経験がある参加者は何人かいましたが、竹を切った経験がある人は誰もいなかったため、多少緊張気味に説明を聞いていました。
2人一組になって作業を開始しました。切り方によっては竹が早く倒れて切れ目の逆側が跳ね上がってしまうここともあり、注意が必要ですが、みなさん果敢に挑戦していました。「普通の木よりも早く切れて気持ちがいい!」と笑顔で楽しむ人や、「子どもの頃にやっていたことを思い出した」と黙々と作業を進める人もいました。

雨が強くなって来たため1時間ほどで早めに作業を切り上げ、屋根のあるところに移動してお昼ご飯になりました。菅生の食材を使ってトン汁や、浅原さん自家製の梅干し、柿などたくさんの差し入れをもらい、雨の中でしたがゆっくりと昼食を楽しみました。
食後も雨は降り止まず当初予定していた花炭作りは残念ながらできなかったのですが、事前に用意してくれた花炭の素材(木の実や葉っぱなど)を配って家で作れる方法を教えてもらいました。また、「光・たくさんの生き物が生息する環境・地産地消」をキーワードとして里山の生態系を考えるワークシートをもとに、浅原さんが里山や自然との関わり方について具体的に話をしてくれました。たまに里山に来てリフレッシュしたり楽しんだり、ということだけではない継続的な関わりをひとりひとり考えてもらいたいという思いを参加者の皆さんに熱く伝えてくれました。

最後には参加者ひとりひとりから感想をもらいました。竹林の作業は早めに切り上げたため、切った竹を片付けるところまでできなかったので、それが「とても残念だった。最後までやりたかった」という声や「今朝までは実はすこし面倒くさいと思っていたが、いざやってみると体が自然に動き出して楽しめた」という声、企業の社会貢献を担当している参加者からは、「企業としてもこのような活動に関わる社員を増やしていきたい」という声がありました。
雨の影響で当初の予定よりは少なく短いプログラムになってしまったのですが、参加者のみなさんは雨ならではの里山を積極的に楽しんでいました。