いきものプロジェクト第2回報告

6月15日(日)、夏の訪れを告げるホトトギスもピョピョピョ ピョピョピョ と鳴く、初夏の気持ちいい快晴の日の午後、2008年度栃窪いきものプロジェクト第2回が新潟県南魚沼市栃窪集落で行われました。
参加したのは、22人(子ども11人、大人11人)。集落の方17人に同じ南魚沼市内からや東京からの参加者も加わりました。今回は、清水が流れ込む空き地「清水端」と第1回でも行った山「天王さま」にいきました。

イモリ イモリは、井(井戸)を守るので、水に住む両生類 ヤモリは、屋を守るので、陸に住むは虫類
イモリ
イモリは、井(井戸)を守るので、水に住む両生類
ヤモリは、屋を守るので、陸に住むは虫類

清水端は、上杉謙信も通ったという栃窪峠に続く古道沿いにある空き地です。冷たい清水が流れ込んでおり、いくつが深い水たまりができています。ここでは、4種類のカエル、イモリ、サンショウウオの両生類や、レッドリストに載っているシナイモツゴという魚、他にもコオイムシやイトトンボのヤゴなど虫も多く確認されました。
地元の小学生の「身近なところにたくさんの生き物がいるんだな」との感想に「弱い生き物である両生類がたくさんいるということは、とても良い環境があるということ。それが人の家のすぐ近くにあることは素晴らしい。」と講師の深沢先生。
去年から継続して参加している地元の小学生は「秋に見た時より生き物が減った。季節の違いを感じた。 」とコメントしました。継続的に観察するとより多角的な視点をもつことができるだと気づかされました。

コオイムシのオス メスは、オスの背中に卵を産みつける。子を背負う虫で子負虫(コオイムシ)
コオイムシのオス
メスは、オスの背中に卵を産みつける。子を背負う虫で子負虫(コオイムシ)

「天王さまの森が涼しくて幸せだった」
天王さまは、針葉樹と広葉樹が交じりあった森で、森に一歩足を踏み入れると、冷んやり気持ちいい。「森の中は温度が一定で乾燥もしない。そして、ここは特に針葉樹と広葉樹が交じりあった森なので、生息する生き物の種類も多い。」と深沢先生は教えてくれました。早速のセミの鳴き声を聞いたり、クスサンというガの繭やホウの実、リスがかじった後のクルミ、キツツキが開けた穴のある木、大きなブナの木と足下に広がるブナの子どもたち。たくさんの生き物がこの森にいることを感じました。
また、前回見つけたタヌキの穴は今回も健在でしたが、新しい糞の形跡がなかったり、タヌキの皮膚のついた毛が落ちていたりしたので、何者かに襲われた可能性が考えられるということでした。

「とにかく気持ち良かった。癒された。」「昔はこんな風に遊んでいたが、今は仕事場と家との行き帰りなので、久しぶりに童心にかえった。カワニナやドジョウが昔に比べて少なくなっていた。」と参加者の感想がありました。

定点観測では、前回よりも多く、オタマジャクシ2種、マルタムシ、イトトンボのヤゴと幼虫、コオイムシ、アメンボ、ゲンゴロウの幼虫が観察されました。