「ECOCLUB」カテゴリーアーカイブ

高野孝子の地球日記

新型ウィルスで、世界はどう変わる

新潟県南魚沼市の坂戸山で

閉じこもらずに外に出よう!

 2020 年4月8日、薄曇りの中に春の暖かな陽がさし、これを書く窓の外では桜が咲き始めている。その中を、小学生たちが列を作って登校している。おしゃべりしながら学校へ向かう中学生たちの姿も見える。ただし全員マスクをしている。

 新潟県南魚沼市では、3月からの休みを終えて、学校が通常に開始されている。子どもたちがグランドで動いている姿にほっとする。

 新コロナウィルスによって、日本を含む世界は3ヶ月前と変わった。国によって市民生活の制限は様々だが、日本では武漢から始まり、ニューヨークやイタリア北部などの厳しい外出制限や「封鎖」がよく取り上げられる。

 「私たちは一切外出できないの。お隣さんとの連絡も電話。外は春。外に出たい!あなたは大丈夫?」、とモスクワの友人から。

「マニラは大変。東京はまだロックダウンじゃないの?私は元気よ」とフィリピンから。

「家にこもって18日目ですが、あと一か月続きそう。毎日散歩+一日おきに筋トレしてますが、つい飲んでしまうので体重は増加中」とは3月末にカリフォルニアの友人。

 世界のあちこちで、「Stay at home, Be safe! 家にいて、感染しないで!」のかけ合いがされている。

 日本では禁止ではなく要請だが、国や自治体、職場、あらゆるところで外出自粛が要請されている。そして今回の緊急事態宣言で、7都府県ではさらに強く要請されている。私が暮らす新潟県では、緊急事態宣言がされた7都府県との往来を避けるよう、強い要請が知事から出された。

 現在、ウィルス感染から身を守るためには、ウィルスに触れないこと、人との接触をできるだけ控えること。そのためによく使われるのが「不要不急の外出を控えて」の言い回しだ。

 コンサートや舞台が中止になり、なぜか図書館や博物館までも閉館される。音楽や芸術だけでなく、自分が暮らしを立てている仕事が、社会にとって「不要不急」なのか、改めて考えた人たちは少なくないだろう。

 私が関わる野外・環境教育も同様だ。入試にないとか、もうけにつながらないなどと、「主流の思考」からは後回しにされがちだ。しかし人類が生き延びるために欠かせない基盤を提供するものであり、環境危機に直面する今こそ大事な分野だと、自信と危機感を持って取り組んでいる。野外・環境教育をしっかり経た人たちは、災害時や非常時に強い。物理的に必要なものを取り出す知識と技術があるということだけでなく、シンプルに暮らすマインドセットに切り替えることができるからだ。それには工夫する力や逆境を楽しむ力も含まれる。

 コロナウィルスの感染が広がり、物理的に人と会うことが制約される中、人と人が関わりあい、直接体験から学ぶことを大切にしているこの分野では当然、頭を抱えている。それでも仲間からは次のような動画が送られてきた。

 今回のような状況の中で、誰かと直接交わることの大切さを実感している人たちは多いのではないか。オンラインで話はできる。でも誰かと物理的に空間を共有し、話を交わしたり一緒に活動することは全く異なる体験だ。それは5感を刺激し、生きるために欠かせない喜びや感動をもたらす。

 家族との時間が増え、これまで家にいる時間が少なかった分、充実しているという声も寄せられている。私自身、放置していた家の片付けをしたり(少しだけ)、両親と会ったり、夫が作る手料理を楽しむ機会になっている。一方、限られたスペースに小さな子どもといる時間が増える分、苛立った親による暴力も増えているという。

 人間には、人と交わることも欠かせないし、一人のスペースも必要だ。急に誰とも会わない暮らしになり、かつ感染のリスクなどの恐怖もあり、心身に支障がある例も増えていると聞く。

 外出自粛要請は、人と人の接触による感染を防ぐため。だから、緊急事態宣言がされた自治体に暮らしていても、一人または家族で外に出て、散歩や山歩きなど、自然の中での活動をどんどんしてはどうか。これまでの研究で、自然の中で身体を動かすことの、身体上並びに精神的な健康効果は証明されている。閉じこもって別の病気になっては意味がない。芸術や音楽鑑賞も、人間の健康維持に必要だ。市中感染の状態にない限り、来場者が静かに回れる博物館や美術館は対策を取ってオープンすべきだと思う。

感染の後の世界

 「まだ、私たちは耐えなければなりません。しかし、必ずよりよい日がやってきます。私たちは仲間、家族ととともに過ごせるようになるはずです。私たちはまた会えるはずです」。英国エリザベス女王が5日の日曜日にコモンウェルスの人々に語りかけた。

 ウィルス感染がおさまった後の世界は、4ヶ月前と同じだろうか。

 私たちは4ヶ月前と同じように行動するのだろうか。1年前にやったことと同じことを同じようにやるのだろうか。

 おそらく答えは「否」だろう。でも何が変わるのだろうか。

 大きな変動の時は、大きな変化の時でもある。自然界ではそうだ。個人でも、1ヶ月あることを続ければ、それ以前とは違う習慣を身につけることになる。2011年の原子力発電所の事故の後、多くの人たちにとって節電を続けるのが当たり前になったように。社会規模でもそうだろう。大きな苦しみや痛み、そして努力を伴うが、1995年の神戸大震災は、社会作りに市民の力が大きくなるきっかけとなった。2011年の東北大震災で、日本は大きく変わると言われたが、結局向いている方向は変化していないという人たちもいる。そしてこのコロナウィルスが招いている事態は、3.11以上だとする言説は多い。なぜならこれは、日本だけでなく、世界中、それも国際政治経済の中心にある国々に大きな影響を与えているからだ。

 この世界的感染爆発は、社会を変え、より良い未来を作るためのまたとない機会とする一方、すでにある不正義をさらにひどくするだけだとするものもある。カナダの作家ナオミ・クラインは、権力はこうした「非常事態」を自分の利益のために利用するものだと警告する。すでに見えていることもあり、私たちは注視し警戒しなくてはならない。

 多くの国々で、経済活動が抑えられた結果、交通量も大気汚染のレベルも大きく下がった。スタンフォード大学の研究者はPM2.5のレベルを解析し、この期間、中国だけを取っても5歳以下の1400人の子供と、51700人の70歳以上の人の命が救われたとした

 観光客が減った各地で、川に魚が戻り、鳥の声が聞こえるようになったという報道やSNSの書き込みがある。普段と違う時間の使い方を強いられながら見えてきたことと合わせて、ウィルスの後の暮らしに求めるものを考えるヒントがあるかもしれない。

 アメリカ人ジャーナリストのピーター・ベイカーはGuardianの記事(2020年3月31日)の中で、現状のパンデミックと環境危機について触れている。長い目で見れば、環境危機の方がずっと深刻で、人類を危機的状況におとしいれるとしながら、この二つはいくつかの点で似ているとしている。例えば、両者とも、世界中で通常でないレベルの協調が必要であること、人々の態度の変容が必要であること、どちらも長いこと確実に起きると言われながら各国政府が必要な対応をしてこなかったこと、マーケットの常識をひっくり返す強い政策が求められること。各国政府は、「環境危機」もパンデミック同様「非常事態」と認識して行動できるはずとする。

 確かに、世界各国の施策として、これまで考えられないようなことがCOVID-19を抑えるために行われ、かつ経済対策も初めてのことだらけだ。そんなことができるのであれば、環境危機に対してもこれまでにないレベルでできるはずだ。

 一方で、この非常事態を口実に、アメリカではパンデミックと関連があれば企業が汚染規制に触れても罰しないなど、様々な環境保全の規制を取っ払おうとしている。中国では企業の環境アセスメントを見送るとしている。使い捨てプラスチックを推奨するキャペーンも一部で始まっているという。ハンガリーでは政府の権限が強化された。

十分な情報を

 首都圏を含む7都府県に緊急事態宣言が出された。ニュースでは、感染拡大が収束するかどうかはとにかく国民一人一人の自覚と行動変容であるという内容や、街から人が消えたという報道の一方で、それなりの数の人が動いていて実効性はあるのか、など論じられている。

 一番嫌なシナリオは、「要請」ではラチが開かないとして、政府がさらに私権を制限できるよう権限強化の拡大を図る法律へと動くことだ。これだけはやらせてはいけない。

 新型コロナウィルス感染に関しては、各国の様子からすでに多くが学べているにも関わらず、日本政府の言動は後手に見えたり、整合性がなかったり、理解できないことが多い。

 2月の中国の様子、欧米の「都市封鎖」や連日の報道から、私たちは不安をあおられ緊張することも多い。けれども状況はあらゆる場所で一律ではない。情報に踊らされずに根拠を求め、冷静に自分で考え行動することが大切だ。それには信頼に足る十分な情報がなくてならない。

 報道を見る限り、政府がどんな根拠で決めているのか、疑問が尽きない。なぜ各国のようなレベルの数のPCR検査ができないのだろう。韓国から検査薬やノウハウ含めて輸入できないのはなぜだろう。「非常事態」なのだ。政府が重大な情報を国民から隠したり、自分たちに都合の良いように操作することは、これまで何度もあった。政府や自治体が信頼できない限り、市民・国民は従えない。私たちが納得して「協力」できるよう、重要な情報や決定過程を明らかにしてほしい。

未知のウィルスはまた必ず登場する

 気候変動は人間の活動によって引き起こされたとする見方が現在は通説であるが、COVID-19のようなウィルスによって人間が病気になるのも、人間が生態系を破壊したことによると多くの科学者が指摘する。人類にとって未知なウィルスは無数に存在する。人間が生態系を破壊することで、病原菌は動物など元々宿っていたホストからリリースされ、近くに存在するようになった人間を新しいホストとするというのだ。

 近年のSARSやエボラ熱、鳥インフルエンザなど、近年の多くのウィルスが野生動物に起因する。それらも自然界への人間の干渉が、人間の健康リスクを高めているとする。つまり今回のような感染拡大は、人間の経済活動の隠されたコストだという。

 COVID-19を押さえ込むのが当面の課題だとしても、必ずまたパンデミックはあるので、長期的な視野に立ってあらゆる対策を講じておかなくはならないと科学者たちは指摘する。

 ウィルスは昔から人間とともにあり、人間はそれらと共存するだけの集団免疫を獲得して生き延びてきたとされる。生物学者の福岡伸一は、「ウイルスは私たち生命の不可避的な一部であるがゆえに、それを根絶したり撲滅したりすることはできない。私たちはこれまでも、これからもウイルスを受け入れ、共に動的平衡を生きていくしかない」と語る(朝日新聞20.04.06)。

 次のパンデミックや他の非常事態に備える長期的戦略の一つに、人のリジリエンスを高めるような体験的な教育は位置づけられるだろう。

 今回の感染はいつどうやって収まるのか。理屈では、全世界で集団免疫が獲得されるまで続く。それには数年かかると言われているので、ワクチンや治療薬が見つかる方が先かもしれない。

 私たちはしかし、いずれ動き出さなくてはならない。それはどんな世界、社会の中であろう。どうせならより良いものを目指し、その変化、変容の準備をしながら、今を進んでいきたい。

(2020年4月7日)

Snow Camp in Niigata

陽光の中で、雪ざんまいキャンプ

Jumping into the snow 雪の中に飛び込む

ECOPLUS conducted snow camp from March 20 to 22 in a mountainous village, Shimizu in Niigata, Japan with 12 participants including high school, university students and young adults. TAKANO Takako, executive director of ECOPLUS, Shimizu villagers and 2 other staff supported the program.

 2020年3月20日から22日まで、新潟県南魚沼市清水地区で、恒例の「雪ざんまいキャンプ」を開催しました。参加したのは高校生から大学生、社会人まで12人。高野孝子代表理事ほか2人のスタッフ、地元集落のみなさんと一緒に、雪の中での2泊3日を存分に楽しみました。

Due to extraordinary warm weather condition of this winter, snow was far less than normal. We only had 50cm to 1 meter of snow at the filed where it should have more than 2 meters. However, wet snow and strong wind suddenly came when the participants began to set up the tents, toilets, the fireplace and other facilities.

 この冬が異常に暖かだったことから、例年なら2m以上の雪がある現地も、50センチから1mほどの雪しかなく、一部は地面がむき出しになっているところまでありました。みんなで調理場やトイレ、テントなどの暮らしの環境を整えようとした矢先、強烈な風交じりの雪が降り始めて、一気に冬に戻ったようになりました。

Finally they set up the living space. Creative boys’ and ladies’ toilets were built in snow decorated with leaves and trees. Cooking was also done on the snow. They cut vegetables on the snow table and made fire on the snow.

 出来上がった男女別々のトイレは、それぞれ雪や落ちていた木の枝を使ってアートに仕上げられていました。料理も雪の上。雪の上で野菜を切り、雪の上で火を付けて調理をしました。

On day 2, we enjoyed snow shoe hike under the blue sky. Using traditional Japanese snow shoes, called “Kan-Jiki,” we started walking. On the surface of snow, many animal footprints were spotted. The villager, ABE Kazuyoshi, taught us they were raccoon’s or marten’s. We also found marks of hares, squirrels and others.

 2日目は、晴天のもと、かんじきハイクを行いました。日本の伝統的なかんじきをそれぞれはいて、山の中に。雪の上にはあちこちに動物の足跡がついています。地元の阿部和義さんが「あれはタヌキ」「こっちはテン」と教えてくれます。ほかにも、ウサギやリスなどの足跡を見ることができました

During three days, we spent time on the snow; cooking, eating, talking, playing, sleeping, and so on. Villagers offered us a big pod of wild bore stew and wild deer curry and rice. They talked about life and nature now and then. We concentrated our senses on listening, watching, communicating, without being annoyed by modern devices. By simply using time just for living, participants had rich and dense learning experiences.

 3日間、私たちは雪の上で、料理をし、食べ、話し、遊び、眠るなどして過ごしました。村人からは、イノシシ鍋や鹿肉カレーなどもいただき、また山の自然や暮らしが今と昔でどう変わってきたかの話を聞かせてもらいました。この間、スマホなど「便利な」道具はほとんど使わず、聞いたり、見たり、話しをしたりすることに集中しました。暮らしことのために時間を使うなかで、参加者たちは、豊かで濃い学びを体験することが出来ました。星空を二日続けで見ることができた。自然の偉大さや厳しさを感じることができた

 星空を二日続けで見ることができた。自然の偉大さや厳しさを感じることができた。

男子高校1年生

 雪でできることがこんなにも多いとは思わなかった!クリエイティビティがあれば可能性は無限大。

男性社会人

It was gorgeous to watch so many stars every night. I felt the greatness and severity of the nature.

10th grader, boy

I was surprised to find that so many things could be done with snow. Possibility is infinite only with your creativity.

Male, business person

「生きる」ことを問い直す・・・ヤップ島プログラム2020参加者募集

コンビニとスマホ漬けの日常から離れ、サンゴ礁で囲まれた南の島で、人々と暮らす

 石で出来た大きなお金、石貨(せっか)が今でも使われ、太平洋諸島で最も伝統が色濃く残るとされるヤップ島。その自然と深くつながった現地の暮らしに入れていただき、人と自然、人と人、人と社会のつながりやかかわり方について考え、本当の豊かさを見つめ直すプログラムです。

 ココヤシの殻や薪を使って火をおこし、魚やタロイモ、パンの実を調理する。大きなヤシの葉っぱを編んで作るマットで眠る。風のそよぎと虫の声に包まれた中で、現地の人たちと目と目を合わせて会話する。

 スイッチ一つ、クリック一つでものごとが動く日常とは違った、本物の生き方をしてみます。2019年の報告はこちらから

プログラム概要

【日程】2020年8月15日から26日(現地滞在10日間=予定)
【対象】15~22歳程度の健康な男女。身体の障害、国籍は不問。新しいことに取り組み、自分の可能性にチャレンジする意欲を持つ人。
【参加費】26万円程度(渡航運賃、滞在費など。事前準備、個人装備、空港までの旅費、保険料を除く。特段の事情がある人は年内の分割払いの相談にも応じます)
【定員】:8名程度(5月10日締切、先着順、定員に達し次第締め切り)
【プログラムの流れ】
 ・説明会 2月から5月はじめにかけての随時、エコプラス東京事務所や早稲田大学などで
 ・顔見せ会 5月16日(土)午前10時から正午(予定)
 ・事前キャンプ 6月27日、28日…東京近郊でヤップでの生活をイメージしながらキャンプを行います。
 ・素潜り講習会(希望者と首都圏の潜水プールで)7月後半を予定
 ・ヤップ島へ出発!
 ・報告書の作成(9月)と報告会(11月頃)

【申し込み、問い合わせ】
 特定非営利活動法人ECOPLUS info@ecoclub.org
 03-5294-1441  03-5294-1442(fax)
 以下のフォームから連絡を下さい。これまでの報告書などをお送りします。保護者の方からの連絡も遠慮なくこちらからどうぞ。

なごやかにヤップ島プログラムの報告会

 ヤップ島プログラムの報告会が、2019年12月7日午後2時から5時まで、東京都千代田区の神田公園区民会館で開かれました。今年のプログラムに参加した9人のうちの8人のほか、これまでのプログラム参加者や家族知人など計25人が、ヤップでの体験とそれを通して見つけた大切なものについて語り合いました。

 会場では、できたばかりの報告書が一人ひとりに配られ、みんなは関連するページをたぐりながら、今年の参加者の報告を聞きました。

 最初に、参加者たちがそれぞれの自己紹介を短くしたあと、ヤップ島での活動内容を、写真をふんだんに使って説明しました。今年の滞在先である、タミル地区のマ村の美しい海岸沿いのメンズハウスで、火を起こし、魚をさばき、ココヤシの実の果肉を削り、パンの実やタロイモを調理したこと。大きなヤシの葉っぱでマットやバッグを編んで使ったこと。地元の人たちがシャコガイの再生を目指して増殖活動をしていること。きれいな朝焼けを見たこと。現地のことがよく分かる発表でした。

 後半は、参加者それぞれが、プログラムを通して感じた自分自身の変化を報告しました。多くの参加者が、以前は「自分自身に自信が持てなかった」「他人に左右されやすい」「回りの目を気にしすぎる」などと話し、ヤップ島での体験を経た今は「自分で考え選択出来るようになった」「自分の意見が言えるようになった」「自信がついた」「自分を好きになった」などと、自分自身への肯定的な言葉が相次ぎました。

 現地で気付いたこととして、「幸せというものは、シンプルなもの」「幸せは身の回りにある」「人の愛のあたたかさ」「自然の中で暮らす心地よさ」「本当の豊かさは、日々の暮らしの中にある」などがあげられました。

 このヤップ島プログラムは、4、5月の説明会から始まり、事前打ち合わせ、事前キャンプ、素潜り講習会、食料計画作りを重ねて、8月の本番、帰国してからのふりかえりと報告書作り、そして報告会と、半年にわたって続きます。その中で、当たり前だと思っていた日々をふり返り、ヤップ島の小さな村の暮らしにどっぷりとひたり、日本に戻って再度自分たちの暮らしを見直すというプロセスです。その中で、最後は自分自身の生き方を問い直す作業にたどり着いたことがよく分かる発表会でした。

 来年度も、8月後半の2週間近くにわたってヤップ島プログラムを実施する予定です。興味関心のある方は、いまからでもinfo@ecoclub.orgあてにご連絡下さい。プログラムの準備状況やヤップ島の近況報告などをお知らせします。

高野孝子の地球日記

出会い、学び、行動する・・・久しぶりのピースボート

 「ピースボート」に乗るのは16年ぶりでした。船旅を通して人と人のつながりを作り、国同士の関係を超えた平和の文化構築を目指す国際NGO。1983年から活動を始めています。現在は1回の航海が約3カ月。世界約20ヶ国を訪れるということです。

 ピースボート設立当時、私は早稲田大学の学生でした。大学からすぐの高田馬場で、早大生たちがおもしろい活動を始めて、事務所を開いたというウワサを聞いていました。

 そのころ教科書検定によって、日本のアジアへの軍事侵略が「進出」と書き換えられ、アジア諸国の猛反発を受けました。これまで「教わってきた歴史」は本当なのか、が彼らの問題意識だったそうです。現地で確かめてみよう、直接人々と対話しようということでした。

 ウワサや二次情報には慎重にあたるべしということは、現在のデジタル情報社会ではさらに痛感させられます。教科書もそうです。時の政治や主流の価値観によって規定されるからです。伝えられること、書かれていることの一部を、自分の目で体で実際に確かめるというのは本当に大切なこと。それは絶対的な真実ではなくても、自分が確信を持って寄って立つ、体験的事実のひとかけらになります。

 初めて船に乗った2003年、私は留学中だった英国からニュージーランドまで来て合流しました。「水先案内人」という、ルートの途中で1週間程度乗船しながら、ワークショップやお話などをする役割です。そして今年の10月なかば。地球一周の船旅としては102回の水先案内人として、私は強い雨の中、モントリオールの指定された港に向かいました。

 ピースボートはかつての何倍もの大きさのクルーザーを利用して運営されていました。全長205メートル、3万5千トンの船の乗客定員は1400人以上。これに加えて相当な人数のスタッフが乗り込むわけです。港では二人のスタッフが出迎えてくれ、すぐに私の大きなザックを担いで、乗船手続きに入りました。

 私の今回の関心の一つは、開始して35年もたつピースボートのスピリットはどう変化しているか、でした。寄付文化がなく、市民社会を支える制度も弱い日本でのNGOの運営は、基本的にどこも楽ではありません。船旅の大きさや数、抱えるスタッフの数、プロジェクトの複雑さなどを思うに、ピースボートもおそらく様々な工夫をしてやっているでしょう。

 その中で、ホームページに掲げられている「船旅を通じて、国と国との利害関係とはちがった草の根のつながりを創り、地球市民の一人として、平和の文化を築いていく」という志はそのままだろうか、そうあって欲しい、と2003年の熱い雰囲気を思い出しながら合流しました。

 パワフルさは変わりませんでした。それはピースボートの若いスタッフの人たちと、多くのボランティアの人たち、そして乗船している参加者のエネルギーによるものでした。もちろんピースボートの目的はさておき、世界一周の船旅そのものを楽しめればいいという方たちも多いでしょう。それでも海を見渡せる場所で、将棋や囲碁、麻雀卓を囲みながらワイワイしていたり、年配者がやり方を熱心に若者に教えていたりなど、交流が生まれていました。

 船上では様々な講座が、ピースボート主催だけでなく、参加者主催で開かれてもいます。ダンスの講座に行ったら、私よりも年齢が上の方々が先に踊っておられてびっくり。「自分で好きなように動けばいいのよ!」と教えてくださいました。

 深夜のカラオケでは、元役人だったという男性が「日課」として、カクテルを一杯飲み、フリオ・イグレシアスのヒット曲を笑える替え歌にして素晴らしい美声で歌い、「おやすみ」と部屋に戻っていかれました。台湾からの乗客が多いということでしたが、私の日本語での講座は、語学専門のボランティアの若者たちが、中国語と英語に翻訳してくれました。事前の打ち合わせでは、こうしたらもっとわかりやすいというアドバイスもくれました。本番ではアドリブだらけでしたが、彼らは「中身の筋は変わらなかったから大丈夫」と余裕の笑顔。大したものです。

 何よりもスピリットを保つ根底に、若いスタッフの存在がありました。問題だらけの社会に憤り、自分の生き方に悩み、どうしたらもっと生きやすい社会になるか、世の中が良くなるかを真剣に考え、議論する姿がありました。その上でピースボートのあり方を考えていました。

 私の講座で話した、私たちの暮らしと環境負荷の話を聞いて背中を押された、と船内で「ベジタリアン食を頼むことにした」と私を担当してくれたスタッフの一人が後日連絡をくれました。

 「地球市民の出会いの場」や、「グローバルな問題を現地の人たちと共に考える場」、そして個人が「行動できる場」をきっとこれからも生み出していくのだろうと、今もどこかの海の上で、数多い人たちを乗せて動いているオーシャンドリーム号を想像しています。

(11月30日)

雪の中でキャンプ!ー超豪快尻滑りで楽しもう!

Learn and Enjoy the life skills on the Snow

 厳冬期には積雪4mにもなる新潟県南魚沼市の山里で、雪を存分に楽しみ、「生きる」を考えるキャンプです。
 関東平野の北に連なる2000m級の山々の反対側。標高600mに位置する清水集落を舞台に、2020年3月20日から22日の2泊3日で行います。3月末になっても1m以上の雪が残ります。

ECOPLUS will conduct a snow camp in a mountainous village, Shimizu, in Niigata from March 20 to 22, 2020. The area is know as the deepest snow area in Japan which has 4 meters of snow in mid-winter. Even in March, we expect more than 1 meter of snow. Participants will enjoy snow and learn the ways of living in snow. English language support available.

 指導にあたるのは、北極、南極、アマゾンなど世界各地を遠征した経験を持つ高野孝子・エコプラス代表理事。地元のみなさんの協力を得て、厳しい雪の中での暮らしの知恵や技を学びつつ、自然の力強さや美しさをたっぷり楽しみます。

TAKANO Takako, the executive director of ECOPLUS, who travelled over frozen Arctic Ocean and other remote areas in the world will organize the project. With the strong support from the local people, participants will learn the knowledges and skills of the mountainous village and will enjoy the beauty and power of the snow.

対象:15歳以上の20歳代までの高校生、大学生など(中学生は要相談)
内容:雪の上でのテント泊。かんじきをはいての雪山ハイク、標高差100mの豪快しり滑り。雪上での調理。雪のトイレ。雪像作り、ソリ遊びなど、自分たちで雪を存分に楽しみます。

Participants: Youth over 15 years old, like his school and college students. Junior high students may be joined based on the situation.
Program : Camping on snow, Hiking with Japanese snow shoes, dynamic snow sliding, Cooking, Snow toilet, Making snow statues, Sledging, and any other creative activities on snow.

 集合:20日午前10時50分JR上越線塩沢駅集合
    (東京駅発午前8時52分発とき309号が便利です)
 解散:22日午後3時半ごろJR上越線塩沢駅解散(予定)
 
 参加費:23,000 円程度(2泊3日6食の滞在費、プログラム費、保険料込み)。寝袋などのレンタル費、交通費別途。
 
 定員:12人(定員に達したら締め切ります。お早めに)

Assembling; 10:50 am, March 20, at Shiozawa Station, of Jyoestu Line. Toki 309, departing Tokyo at 8:52 has easier connection at Echigo-Yuzawa station.
Break up: 15:30, March 22, at Shiozawa Station, of Jyoestu Line. (tentative)

Fees: 23,000 JPY including food and tent accommodations, programs, insurance. Travel cost and rental gears are excluded.

<<2020年雪ざんまいプログラム申込書>>
 <<Application Form>>

 問い合わせは、エコプラス(info@ecoplus.jp)、03-5294-1441まで。

ゆたかさとは何かを考えた11日間・・・12月7日(土)ヤップ島プログラム報告会

 近代化の波が押し寄せる現在でも、自然と調和した暮らしを維持しているミクロネシア連邦のヤップ島に、日本から9人の大学生がこの夏出かけました。
 コンビニやスマホから離れたシンプルな暮らしの中での11日間。「生きるということ」「豊かさとは何か」を考えてきました。その参加者手作りの報告会が、開催されます。ぜひご参加下さい。

【日時】12月7日(土)14:00~16:30(受付開始13:30)
【場所】神田公園区民会館4階洋室A
    東京都千代田区神田司町2-2
     神田駅、淡路町駅、小川町駅から、いずれも徒歩5分

【プログラム概要】
 ヤップ島の紹介、プログラムを通じて感じ、考えたことの発表
 報告会参加者とのトークセッション

【登録方法】以下のフォームに、必要事項をご記入ください。当日参加も可能ですが、報告書などの配布を予定しておりますので、事前のご登録をいただければ助かります。

【持ち物 :】マイコップ(飲み物を準備する予定です。ゴミ削減のためご持参ください)
【参加費】無料

【懇親会】17:30ごろから約2時間、神田駅周辺で会費制の懇親会を予定しております。参加を希望される方は上記フォームでお知らせ下さい。

自然の中でていねいに暮らす・・・ヤップ島プログラム2019

Apart from smartphones and convenient shops, Students learned how to live harmoniously with the nature in Yap

Yap-Japan Cultural Exchange Program 2019 was held from 13 to 25 August with nine students from Tokyo and Kansai area including one graduate student. We stayed at Maaq village, Tamil and experienced traditional and local lifestyle of Yap.

 2019年のヤップ島プログラムが、8月13日から25日までの日程で行われました。首都圏や関西の大学生8名と大学院生1名の9人の参加者がタミル地区マ村でヤップ島の伝統的な自然と共存した暮らしを体験しました。

 滞在した場所は、メンズハウスと呼ばれる村の男性たちの集会所。海面上昇の影響で使えなくなった前のメンズハウスを村人が2年間の月日をかけて工事し、今年の6月に完成したばかり。海辺にそびえ立つ美しいメンズハウスの中で蚊帳を張り、村のお母さんたちに教えてもらいながら編んだヤシの葉のマットを敷いて寝ました。

We stayed at the Men’s house which is the community house for men in the village. The villagers finished two-year long reconstruction work of the house in June. Because the old one was damaged by high waves caused by sea level rise, villagers decided to raise the ground 1 meter up and reconstructed new build using old techniques. Their new Men’s house was shining beautifully at the seaside. We were staying in the house hanging the mosquito nets and laid on the coconut frond mat that they weaved by themselves.

 プログラムの前半は暮らし作りに時間をかけました。自分たちで編んだココヤシの葉のカバンを持ちながら村の子どもたちに村を案内してもらったり、地元のレモンの汁で洗濯をしたり、火を起こしたり、村人から差し入れでいただいたココナッツやタロイモ、バナナ、パンの実、魚などの食材の調理方法を学んだり、ヤップ島の豊かな自然の恵みを受けながら、村人の知恵を教わり「生きる」ための知識とスキルを身につけました。

For the first half of the program we took time to gain the skill and knowledge for living. Weaving the bag by the coconut frond and walking around the village seeking for some food, washing their clothes with lemon, making fire, learning how to cook taro, bananas, bread fruits and fish which was kindly shared by the villagers, husking the coconuts and so on. By receiving the blessing of the rich nature of Yap and learning the way of living and kindness of Yapese, the students slowly acquired their knowledge and skills of the island.

 中盤では、ヤップの家族の日常にお邪魔するホームステイ。家族と料理をしたり、漁に出たり、伝統工芸を教えてもらったり、教会に行ったり、温かい家族に受け入れられ、様々な体験をした彼らは、2泊3日の滞在を終えてメンズハウスに見違えるような明るい表情と声色で戻ってきました。その晩、家族が持たせてくれた「お弁当」を食べながら夜中の2時までそれぞれの思い出話を語らいました。

In the middle of the program, the students experienced the daily life of Yapese by home-staying for 2 nights and 3 days. They were experienced the diversity of lifestyles in Yap by cooking, fishing, learning traditional skills, and attending mass at the church. They came back from the homestay with shining smile and kept sharing about their different experiences and their lovely family until 2 am in the midnight. 

 ホームステイでヤップ島に「家族」を作った参加者の行動は明らかに変わりました。それぞれが家族から教えてもらった知恵やスキルをシェアしながら、自由に「暮らす」ことを楽しみ始めました。また、一人ひとりにとって大切な場所になったマ村への感謝を込めた「ありがとう活動」としてメンズハウスの周りの草抜きやゴミ拾いをしました。

The behavior of the students who created the “family” in Yap has been clearly changed. Each began sharing their knowledge and skills taught by their families at the homestay and enjoying “living” itself with feeling the freedom. In addition, they expressed their appreciation to the village as a “thank you activity” by cleaning weeds and picking up trash around the men’s house.

 さらに、TRCTという滞在したタミル地区の環境保護団体による活動を見学したり、中心地コロニアにあるゴミの埋め立て地、リサイクリングセンター、ビンロウ樹の皮を使ったローカルプレートを作る作業場などを見学しヤップ島が抱えている問題とヤップの人々の取り組みを学びました。ヤップ島に「家族」ができた参加者にとってヤップで起こっているものはもう他人事ではありません。

In addition, they were learning the serious problems what Yap island is facing and what the people are doing to solve those problems by joining the activities of  TRCT which is an organisation to protect the environment in Tamil area, visiting landfill site, recycling center and the local plate factory made by the beatle nuts tree’s skin. For the students who get precious “family” in Yap, what is happening in Yap is no longer somebody else’s problem.

 最終日には、村人と共にフェアウェルパーティーを行い9人の学生たちは、村から学んだことを言葉にしてメッセージとして村の残しました。

「生きていることは美しい」

「幸せに生きていくヒントを見つけた」

In the last day, we held a farewell party together with the villagers and host families. The students shared what they have learned during their 10 days in Maaq village.

“Being alive is beautiful”

“I got the suggestion how to make my life happy”

成田空港に到着して最後の振り返りの際に、参加者の中には涙を流しながら日本の生活に戻ることへの不安を共有する者もいました。ヤップ島プログラムはこれから、それぞれの心の中にヤップの美しい自然や人々の知恵と愛情を残しながらこれからも生き続けることでしょう。報告:ボランティアスタッフ猶井咲喜

At the final sharing meeting at the Narita airport, the students shared what they have learned and some people were talking about their anxiety to go back their “everyday life” in Japan with tears. The beautiful nature and the people’s wisdom and love will continue to live in their heart forever.  Reported by NAOI Saki

本物の生き方を求めて・・・ヤップ島プログラム2019参加者募集

コンビニとスマホ漬けの日常から離れ、ヤシ林の中の集落で人々と暮らす

 8月下旬の約2週間、高校生から大学生前後の若者を対象に、ミクロネシア連邦ヤップ島に滞在します。

 石で出来た大きなお金、石貨(せっか)が今でも使われ、太平洋諸島で最も伝統が色濃く残るとされるヤップ島。その自然と深くつながった現地の暮らしに入れていただき、人と自然、人と人、人と社会のつながりやかかわり方について考え、本当の豊かさを見つめ直すプログラムです。

 ココヤシの殻や薪を使って火をおこし、魚やタロイモ、パンの実を調理する。大きなヤシの葉っぱを編んで作るマットで眠る。風のそよぎと虫の声に包まれた中で、現地の人たちと目と目を合わせて会話する。

 スイッチ一つ、クリック一つでものごとが動く日常とは違った、本物の生き方をしてみます。

プログラム概要

【日程】2019年8月13日から25日(予定)
【対象】15~22歳程度の健康な男女。身体の障害、国籍は不問。新しいことに取り組み、自分の可能性にチャレンジする意欲を持つ人。
【参加費】26万円程度(渡航運賃、滞在費など。事前準備、個人装備、空港までの旅費、保険料を除く)
【定員】:8名程度(定員に達し次第締め切りとさせていただきます)
【プログラムの流れ】
 ・説明会 4月13日午後3時から、エコプラス事務局で。その他、5月はじめにかけての随時、エコプラス東京事務所や早稲田大学などで
 ・顔見せ会 5月18日(土)午前10時から正午(予定)
 ・事前キャンプ 7月6日、7日…東京近郊でヤップでの生活をイメージしながらキャンプを行います。
 ・素潜り講習会(希望者と首都圏の潜水プールで)7月後半を予定
 ・ヤップ島へ出発!
 ・報告書の作成(9月)と報告会(11月頃)


 ・顔見せ会 5月18日(土)午前10時から正午(予定)
 ・事前キャンプ 6月29日、30日…東京近郊でヤップでの生活をイメージしながらキャンプを行います。
 ・素潜り講習会(希望者と首都圏の潜水プールで)7月後半を予定
 ・ヤップ島へ出発!
 ・報告書の作成(9月)と報告会(11月頃)

【申し込み、問い合わせ】
 特定非営利活動法人ECOPLUS info@ecoclub.org
 03-5294-1441  03-5294-1442(fax)
 問い合わせをいただければ、これまでの報告書などをお送りします。

仲良く2泊3日の雪国暮らしを楽しみました

 子ども雪国暮らし体験プログラムが、2019年1月12日から14日までの2泊3日で、新潟県南魚沼市清水集落で行われました。首都圏と沖縄から参加した小学校3-4年生6人、それを応援する大学生や社会人4人が、2mを越す雪の中で活動しました。

 例年ならば雪雲に覆われ続ける1月ですが、この週末だけは珍しく穏やかな天候が続き、青空が広がりまぶしい太陽の光が満ちあふれる絶好のコンディション。集落のご好意で集会所を拠点に使わせていただき、子どもたちは周囲の雪の斜面を使って、ソリ遊びからかまくらづくりなどに夢中になりました。

 沖縄からの子どもは無論、首都圏からの子どもたちもほとんどがこんな雪は初めて。到着するやいないや、大きな荷物を持ったまま雪に触って大喜び。持参したお弁当での昼食もそこそこに、雪の中に飛び出していきました。

雪の斜面に穴を掘ったり、ソリのコースを作ったり、自由に雪遊び。

 前の週にたっぷりと降り積もった雪はふかふかで、子どもたちは時にはひざまで雪に埋もれながら、お気に入りの場所まで前進。プラスチックのシャベルを使ってかまくらを掘ろうとしたり、ソリを使って斜面を滑り降りたり、大きな雪だるまを作ろうとしたり。子どもたちは自由に仲間を見つけ、隣が気になったらそちらのプロジェクトに移動して、雪をたっぷりと楽しみました。

用意された野菜は、多くが地元産。無農薬の魚沼コシヒカリも登場しました。

 滞在中は、すべて自分たちで自炊。1日目はクリームシチュー、2日目は豚汁の夕食という本格的な調理にも挑戦しました。ハクサイやニンジン、鳥や豚の肉を包丁で切り、鍋に投入する順番を相談し、調味料の分量もみんなで話し合って、味見を繰り返して、見事な夕食が出来ました。

 かんじきをはいての森の中のハイキングでは、動物の足跡があちこちについているのも見つけました。太い両足の跡が特徴的なウサギ、まっすぐにあるいているテンやリス。その雪の中を、どんどんと歩いて、雪山の途中まで進みました。向かいの斜面にいた小さな黒い点は、双眼鏡などで見ると大きな動物。「クマだ!」と大騒ぎになりました。茶色い動物は、ニホンカモシカ。短い角が付いた頭を動かしながら、雪の中から出ている木の葉っぱを一生懸命食べている姿を見ることができました。

 プログラムが始まる時に、子どもたちが相談して決めた約束は、「けんかをしない」「仲良く遊ぶ」など7項目。「地元の人にあいさつをする」という約束もありました。このためか、50m以上先の屋根の上で除雪している人に向かって、「こん、にち、わー。がんばってーくださーい」という大きなあいさつをすることも。通りかかったおばあさん2人にも雪合戦を中断して、「こんにちわー」。「雪、面白いかねー」と話しかけられて、「はーい」と元気に返事をしていました。

 雪を徹底的に楽しんだ3日間はあっという間に終わり。帰るときには、「次はもっと山の高いところまで登りたい」「もっといろんな動物を見たい」などというコメントを残してくれました。

 雪のプログラム、次は3月の雪ざんまいキャンプです。