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  第2回「世界の環境と教育」アンドリュー・ブルックスさん
報告者   事務局    報告日時   20040405

オーストラリアのアンドリューブルックスさんは、その土地とのつながりこそが、環境教育に大切なのだと語りました。

東京での講演では、オーストラリアの野外活動の歴史と自然との関わりについて、深い考察を披露してくれました。
講演会に先立って、新潟県門出町で、合宿型の研修会が開かれ、わらぶきの屋根の下で、日本の土地に触れながら語り合いました。

 「日本には、オーストラリアや欧米にはない、その地に根づいた環境と社会の関係がある。これは大きな可能性かも知れない」。

 オーストラリアに戻って数週間して送られてきた電子メールにこう書かれていました。

 オーストラリアのラ・トローブ大学のアンドリュー・ブルックスさんは、日本での学会に招かれた後、時間をひねりだして、新潟での合宿研修会と東京での講演会に参加してくれました。

 アンドリューさんは、世界的にも有名なラ・トローブ大学の「野外教育と環境」学部で、シニアレクチャラーとして大学院と学部のプログラム運営に当たっていて、自然や野外での体験を、社会や歴史との大きな枠組みの中で見る鋭い視点で知られる研究者です。

 新潟でも、東京でも、大変に慎重に言葉を選んで話をしてくれました。簡単にものを断定することは避け、常に多角的に、批判的に、物事を考えていることを感じさせました。

 新潟の門出町では、地元の人々が守ってきているかやぶきの建物を舞台に、新潟や東京、名古屋などからも集まった、家族連れや若者たちと、語り合いました。

 ブルックスさんが繰り返していたのは、「みんなが絶賛するすばらしい自然ではなく、当たり前のようにあるそれぞれの地域の自然の中に、その社会の持続可能性につながる学びの素材があるのではないか」ということでした。

「オーストラリアの都市部の公園のような環境にある植物は、ほとんどが欧州から持ち込まれたものだ。そんな草や花や木を見て、それがいったいオーストラリアの民主主義にどのような役割を持つのだろうか」

 東京の講演会の最後の質疑応答で、ブルックスさんは、こう言い切りました。
 日本でも、都市部の公園での野外観察などを行っている例も少なくありません。そういった流れに対して、ブルックスさんは、環境教育は最終的には社会の未来を決めていく重大な責任があるのだ、と述べたようにも思えます。

「熱帯雨林の減少を知るエコツアーを日本から出して、その森にわざわざ行かねば学べないことは何なのだろう。その森のことを一番よく知っているのは、一体誰なのだろう」

 こんなコメントも述べてくれました。

 一方で彼は、欧米の思考は自然をその土地と切り離して考える傾向にあり、オーストラリアは、まさにその土地のことを無視して欧州の考えを持ち込んだ、人類の失敗だとしました。

 その失敗を指摘した彼が、「日本には、欧米社会にはない、土地とのつながりの中での環境教育の可能性があるのではないか」と述べたことに、注目したいと思います。


カテゴリー: 理論  大洋州  教育  持続可能性  環境教育 


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