「米作り」タグアーカイブ

無農薬田んぼは、自然のジャングル

一年間、まったく農薬や化学肥料を使わなかったオーナー田んぼの稲株の間には、小さなクモやらイモリやらが次々と登場した。

こちらはオーナーの山田さんに稲刈り指導をする通りがかりの村人。「腰の構えが違う!」などとにぎやかな指導でした。
こちらはオーナーの山田さんに稲刈り指導をする通りがかりの村人。「腰の構えが違う!」などとにぎやかな指導でした。
目線を稲株ぎりぎりまで下げると、田んぼジャングルとでも呼べるような新しい世界が広がります。
目線を稲株ぎりぎりまで下げると、田んぼジャングルとでも呼べるような新しい世界が広がります。

 

秋の晴れ間にオーナー田んぼ稲刈り

棚田オーナーのみなさんの田んぼがついに稲刈りとなりました。本日午後、オーナーの一人の山田さんも一緒に、手で稲刈りを行い、半分弱を刈りました。

オーナー田んぼの端っこから刈り取り作業を始めるオーナーの一人山田さん
オーナー田んぼの端っこから刈り取り作業を始めるオーナーの一人山田さん

秋晴れとなった10月12日午後、オーナー田んぼの残って板1枚の刈り取りが行われました。

天候も、稲の具合もちょうどこの日曜日が最適となって、朝露も乾いた午後1時過ぎから、オーナーの一人である山田さん一家4人、実習で訪れていた早稲田大学の学生6人などが加わって、稲刈り作業を行いました。

地元パノラマ農産のみなさんやエコプラス関係者もいれて総勢14人で、午後4時までの3時間弱で、3割方の刈り取りを終えました。

稲の具合は最高で、ほかのほとんどの田んぼでは稲穂が倒れてしまう「倒伏」が全面的に発生していたのですが、オーナー田んぼは倒伏は2割ほど。

逆に最後まで実に栄養が届いたせいか、稲粒も大きく、「きつねのしっぽ」のような立派な稲穂となっていました。

もっとも秋口に入っての降雨量の多さを反映して田んぼはぬかるみが強く、次の一歩のために深く埋もれた長靴を引き抜くのが大変な状態。効率が大変悪い手作業となりました。

ついに刈り取りを迎えた稲穂たち
ついに刈り取りを迎えた稲穂たち

一度に5-6株、できれば8株程度を刈り取り、それを2つ重ねて、去年の稲ワラでしばって一つの束とします。この束を4段重ねの竿にかけて天日干しとします。

足場の悪い中での刈り取りなので、刈った稲をその場に置くと濡れたり泥まみれになるために、離れたへりまで歩いていってそこで束にするなど手間が大変かかりました。

この一年、まったく農薬や化学肥料を使っていない田んぼは、稲以外にもたくさんの草が生え、カエルやイモリ、クモなどいろんな生き物が、稲の根本から飛び出しました。

時間切れとなったために、残りはパノラマ農産のみなさんに刈り入れしていただき、2週間ほどの天日乾燥でおコメとなる段取りです。

ついに脱穀

オーナー田んぼの報告をみなさんに順次書こうとしていたら、突然栃窪事務所の入り口で声がした。「オーナー田んぼの脱穀、いまからしていいか」と。
オーナーのみなさんにコメの様子を報告しようと、ひさしぶりに栃窪にある「TAPPO 南魚沼やまとくらしの学校」の事務所でパソコンに向かっていたら、玄関から突然大きな声がした。

「おーまえさん、いまからオーナー田んぼ、脱穀していいかね」。
声の主はパノラマ農産社長の笛木晶さん。あちこちの田んぼの刈り取りをしながら、ちょうど余った時間で脱穀できるのではないかと考えたそうだ。

もう午後4時前。今日は快晴だったが明日は小雨の模様。濡れる前に取り入れようということか。

はざかけを10日間した稲の前にコンバインを止める。稲からもみを外す機能だけを使う。下にひいたシートは、落ち穂を泥まみれにしないため。
はざかけを10日間した稲の前にコンバインを止める。稲からもみを外す機能だけを使う。下にひいたシートは、落ち穂を泥まみれにしないため。

2枚あるオーナー田んぼのうちの1枚はまだ稲穂がすっくとたっていて、まだまだ実りが進みそうだ。雨で倒伏しそうだったもう一枚のオーナー田んぼは、雨の間の好天を突いて9月24日に刈り取りをしてある。長さ約30メートルの鉄パイプ製の枠に、上下4段にかけて干してきた。

そばにコンバインを横付けにして、その横腹にあるベルトコンベアのように動く脱穀装置に稲の束を送り込んでモミを外していく。

簡単そうだが、高さ2メートル近いさおにかけてある稲束を外して、コンバインの投入口に入れるのはかなり大変だ。稲束を外す人、それをコンバインに投入する人、吐き出されたわらを再度束にしばる人、それをあぜまで次々と運び出す人、流れ作業で進める。

私も気がつけばコンバインに投入する係となって、渡された稲束を脱穀のベルトコンベアに載せる。稲束によって長さが違い、穂の付き具合が違う。それに稲穂はとても重い。うまく投入口に並べるのは大変だった。

どんどんとモミになっていく。コンバインのタンクが2度、いっぱいになって、軽トラックに積んだ積載装置に移す。
どんどんとモミになっていく。コンバインのタンクが2度、いっぱいになって、軽トラックに積んだ積載装置に移す。

途中でコンバインのタンクがもみで一杯になったので、その中味を軽トラに移すこと2回。最後の束を突っ込んだ時にはあたりは真っ暗。午後6時すぎだった。

細かな稲ワラが腕や顔、服についてちくちくする。

「これは水では落ちないのよ。お湯で洗わないとね」とタオルを巻いて重装備だった信子さんが話す。

明日、モミに何パーセント水分が含まれているかなどを調べて、その後にもみ殻を外す作業に映るそうだ。

「けっこう収量があるかもしれない」
晶さんがつぶやいた。

完全無農薬なので、収量はもとより期待できなかったのだが、どのくらいの玄米になるのか。楽しみだ。

はざかけの天日乾燥進む

9月24日に刈り取ったオーナー田んぼの1枚では、はざかけによる天日乾燥が進んでいます。すっかり茶色くなった稲は、あとしばらくで脱穀できそうです。

9月30日のはざかけの様子。まだ青みを帯びている茎やはっぱがあり、はざ全体もふっくらしている。
9月30日のはざかけの様子。まだ青みを帯びている茎やはっぱがあり、はざ全体もふっくらしている。
10月4日のはざの様子。ほとんど全体が乾燥して茶色くなった。はざの厚みも薄くなった感じ。
10月4日のはざの様子。ほとんど全体が乾燥して茶色くなった。はざの厚みも薄くなった感じ。

雨続きの9月が終わり、心配された台風15号も日本列島の南を進んでくれたので、収穫期を迎えた南魚沼の農家のみなさんもほっとした様子です。

晴れた日には、あちこちで刈り取り機(コンバイン)が動く音がします。一面、黄金色の田んぼが連続する光景の中に、赤い昆虫のように見えるコンバインが動いています。

9月24日に早めに刈り取ったオーナー田んぼの一つでは、どんどんと乾燥が進んでいます。

赤とんぼが青空を背景に、はざかけの上を飛び回っています。

オーナー田んぼで稲刈り

田んぼオーナー制度でコメを栽培している2枚の田んぼのうち1枚で稲刈りが行われました。雨模様が続き、稲の倒伏の恐れが強かった田んぼから急きょ刈り取りをしたとのことでした。

稲は最後の最後まで気が抜けない作物のようです。

今年の稲は田植え直後から6月前半の好天のおかげですくすくと成長しました。このため、稲の背丈は1メートル以上にもなっています。

田んぼに入ると胸まで埋もれるようになりました。

刈り取りが終わって天日干しが行われているオーナー田んぼ。1反余りの田んぼで、4段がけにして長さ30メートルほどの稲が収穫された。
刈り取りが終わって天日干しが行われているオーナー田んぼ。1反余りの田んぼで、4段がけにして長さ30メートルほどの稲が収穫された。

穂が出て、実が入り始めた後も順調でしたが、秋口の雨が思わぬ効果を及ぼしました。歯や穂についた雨しずくの重みで稲が根っこから倒れてしまうのです。

そもそもコシヒカリは腰が弱いことで知られていました。農家のみなさんはその成育具合を調整しながら背丈を低く抑え、倒伏しないようにして、育てる技を持っています。

しかし、今年はその技以上に天候が順調だったようです。

南魚沼地域の平野部では、ほぼ全面にわたってぺっしゃんこになってしまった田んぼも珍しくありません。平野部から300メートル前後高い場所にある栃窪地区は、まだ倒伏が少なかったのですが、9月中旬から一部で倒れるところが出てきました。

このため、2枚あるオーナー田んぼの1枚は、急きょ9月24日に刈り取りをすませました。

一枚隣の田んぼでは、稲が倒れる「倒伏」が始まった。今年は稲の生育が良かったために背丈が高くなり、早く倒れてしまったという。
一枚隣の田んぼでは、稲が倒れる「倒伏」が始まった。今年は稲の生育が良かったために背丈が高くなり、早く倒れてしまったという。

その後も台風の影響も予想されて農家のみなさんは大変気をもんだのですが、先週はほぼ全部晴れ。晴れてみるとまだまだ稲穂の軸は青く、さらに米粒に栄養が流れ込む状況なので、一転、刈り取りを遅めると言うことになっています。

コメ作り、なかなか微妙な案配です。

だいぶ実りました。稲刈りは10月第2週前後の見込み

イネがどんどんと実りを深めてきました。穂先が重くなり、しっかりとコメができ上がってきています。

 

オーナー田んぼに登場した標識。棚田オーナー制度の紹介とオーナーのみなさんのお名前が表示されています。
オーナー田んぼに登場した標識。棚田オーナー制度の紹介とオーナーのみなさんのお名前が表示されています。

オーナー田んぼのイネは、ますます順調に育っています。イネ刈りまであと3週間前後という見立てになってきています。

今年は、初夏の時期に好天で高温であったことから、イネの育成が早く、背丈も高くなっています。このため、日本で一番の品質のコシヒカリが取れるとされる里の田んぼでは、イネが高く育ちすぎて倒れる「倒伏」という現象が広がっています。

コシヒカリはもともと背が高く伸び、倒伏に弱い品種とされてきました。このため、背をあまり高くしないで育てることが肝心とされてきました。

しかし、昨今は田植えの時期を勤務の都合で決める日曜農家も少なくなく、早めに植えてしまいたいと言う心理も働いて、以前より田植えの時期が早くなっています。そこに好天が続いたので、今年は場所によっては胸まで埋まるような背丈になった田んぼも少なくありません。

今年はオーナー田んぼは大成功の気配です。里の田んぼに倒伏が広がっているのと違って、栃窪の田んぼは順調です。
今年はオーナー田んぼは大成功の気配です。里の田んぼに倒伏が広がっているのと違って、栃窪の田んぼは順調です。

そこに秋になってからの雨が重なって、一気に倒伏。20日の雨で、里の半分近い田んぼが全面倒伏という有り様です。

オーナー田んぼは、田植えを遅くしたのが功を奏し、背丈も平年並み。倒伏は一切ありません。

これからどこまでうまく実っていくか。楽しみです。

たわわになった稲穂たち

稲穂が見事な黄金色になってきました。一つひとつの穂が「キツネのしっぽ」のようになると良いコメだと言われます。

エコプラスの夏の活動でヤップ島に2回、それぞれ2週間。その間に自分自身の仕事でデンマークに2週間。計6週間、地元を留守にして田んぼを見ました。

秋空に黄金色の稲穂が映えます。まだまだ葉っぱは緑色ですが、穂の部分はだいぶ黄色くなってきました。
秋空に黄金色の稲穂が映えます。まだまだ葉っぱは緑色ですが、穂の部分はだいぶ黄色くなってきました。

みごとな黄金色に覆われていました。
夏の入り口、春先に投入した有機肥料がじっくりと効果を出して葉っぱが濃い緑色になっていました。
「効果が遅かったので、量を多くしたのが裏目に出た」とパノラマ農産の晶さんが話していました。田んぼの土づくりは、そこに育つイネの色にはっきりと現れます。

穂が出る時期に追加で肥料をやる「穂肥」は、オーナー田んぼには投入しませんでした。

この調整がうまく効いたのでしょう。周辺の田んぼと変わらぬ、あるいはそれ以上にしっかりとした穂が、オーナー田んぼに広がっています。

一つの穂についている米粒も昨年の無農薬栽培米の田んぼよりも、多くなっているように感じられます。

どのくらいの収量になるのか、楽しみです。

たくさんのコメをつけてたわわにゆれる稲穂。一房に100粒以上のコメがついています。穂の軸が先端から6-7割黄色くなったら刈り取り時期です。
たくさんのコメをつけてたわわにゆれる稲穂。一房に100粒以上のコメがついています。穂の軸が先端から6-7割黄色くなったら刈り取り時期です。

「草刈りに夢中!」田んぼのイロハ第3回報告

草刈りあり、たい肥づくりあり、芋の手収穫&料理教室あり。今回の田んぼのイロハは体験が盛りだくさんでした。
2008年9月6日から7日まで、休日農業講座「田んぼのイロハ」第3回目が行われました。今回のテーマは「草刈りとあぜ管理」で、参加者は東京在住の大学生と会社員、2名でした。

[1日目]
昼すぎからとても強い雨が降り、集落内の側溝からはものすごい勢いで水が流れる音がしていました。県道わきの斜面が1カ所崩れていました。

そんな中、パノラマ農産の笛木晶さんを講師に「あぜの管理」についての座学を行いました。

一般的な稲作では、あぜが害虫の住みかにならないように草の生長を抑えます。現代の農業では省力化を図り除草剤も使われてきました。面積が広く傾斜もある栃窪集落のあぜならなおさら、除草剤を使えば作業は楽になるように思われます。

しかし傾斜のあるあぜが崩れずにすむのは、実は草の根が斜面の保護・強化に一役買ってくれているからなのです。景観の保全という面からも、栃窪ではあぜの草刈りが欠かせない作業であることを教わりました。

田の草取りやその省力化としてのアイガモ農法についての話、農耕用に家畜を飼っていた昭和40年代の話など、話題は多岐に渡りました。

その後の夕食では、笛木晶さんと区長夫妻にも加わってもらい、お話を聞いたり、これまでのイロハの様子や稲の育ち具合、夏に行われた「棚田草刈りアート日本選手権大会」などの写真を見たりしました。

[2日目]
朝のうちは、くもってはいるものの雨は降っていませんでした。

 集落の方にカマの研ぎ方を教わりました。砥石の角度や力の入れ具合、コツをつかむのは難しいものです。
集落の方にカマの研ぎ方を教わりました。砥石の角度や力の入れ具合、コツをつかむのは難しいものです。

9時にはイロハ田んぼに到着し、パノラマ農産の方々にカマの刃のとぎ方から教わりました。刃を立てて見て、刃が白い筋に見えたらまだ研げていないそうです。辺りにはしばらくシャッシャッシャッという刃物と砥石のこすれる音だけが響いていました。切れ味を試しに辺りの草に軽くカマをふるってみると、それだけで草が切れ、歓声が上がっていました。

カマが研げるといよいよ草刈りです。斜面に向かい、一定の幅で右から左へカマを振りながら登って行きます。切れ味が良くなったカマで調子良く草を刈り始めましたが、10時を過ぎた頃からカミナリが鳴り始めました。

休憩して様子を見ていましたがとうとう雨が降り始めたため、草刈りを中断して集落センターへ戻り、集落の方が提供して下さった野菜で料理教室をすることにしました。ナスは油で揚げてみそとからめる「油みそ」と焼きナスに。芋の手(サツマ芋の葉のくき)はきんぴらに、ミョウガは佃煮に。芋の手の収穫体験もできました。

こうしてお昼の食卓には地元で採れた野菜のおそうざいがズラリと並び、素朴な味に癒されるひとときとなりました。

昼食が終わる頃には雨も止んで、13時から作業を再開しました。最初は「こわいー」と言っていた学生も、この頃には「この作業、はまりますね」と夢中で草を刈っていました。もう1人の参加者は草刈り機の使い方も教わり、10分くらいですっかり慣れ、鼻歌を歌いながら刈っていました。

刈った草はたい肥にします。

 刈った草でたい肥づくり。どんどん草を詰め込みます。このあとブルーシートで全体をおおい、熱を逃さないようにして草の醗酵を促します。
刈った草でたい肥づくり。どんどん草を詰め込みます。このあとブルーシートで全体をおおい、熱を逃さないようにして草の醗酵を促します。

田んぼの一画に組まれた木枠(たて80センチ、よこ1.5メートル、高さ45センチ)の中に刈り取られたあぜ2面分の草がどんどん詰め込まれ、米ぬかと鶏ふんを混ぜ込みながら踏み固められていきました。枠の高さいっぱいまで来たら、枠だけ15センチほど持ち上げて詰め、踏み固めて、最終的に高さは約70センチほどになりました。笛木晶さんの提案で、このたい肥の高さが醗酵によって来春どこまで下がるかを当ててみることになりました。

参加者からは、「天気次第でスケジュールも変わってしまうけど、それもまた作物を育てる大変さ、難しさを実感できる機会になりました」「採れたての野菜を使って料理を作れたのが良かったです」「集めた草が、たくさんに見えてもワクの中に入れて踏み固めるとどんどん押し詰まって、小さくなっていくのが印象的でした」などの感想が聞かれました。

次回はいよいよ「稲刈り」です。
http://tappo.ecoplus.jp/showart.php?lang=ja&genre=8&aid=619
1日目には生態系調査「とちくぼ生き物プロジェクト」にも参加します!

穂が黄色くなりはじめました

色づき始めたオーナー田んぼ。2枚ある田んぼはそれぞれ順調です。
色づき始めたオーナー田んぼ。2枚ある田んぼはそれぞれ順調です。

青かった穂が黄色く色づいてきました。まだ籾の中はやらかくて厚みもありません。これからが勝負です。

 

2-3週間程前に花が咲いたイネたちは、受粉もうまくいったようで、モミが育ってきています。

初めは緑色そのものだった穂が、順次色づき始めていて、同時に、重みが出てきて垂れ始めています。中に米粒がしっかり形成されはじめてきたようです。

風がくると、この重みを持ち始めた穂がざわわと揺れていきます。夏の名残の強い日差しを浴びて、モミは育っていきます。

穂が出てからの毎日の最高気温のたし算が、1,000度になると刈り取りが出来ると言われます。平均の最高気温が25度とすると40日。9月の終わりから10月の初めが刈り取り時期なのですが、それまでの天気で、実の入りが決まってくるのだそうです。

完全無農薬の証拠。イネの根本にはびっしりと雑草が生えています。
完全無農薬の証拠。イネの根本にはびっしりと雑草が生えています。

イネの根本には、何度も草取りをしたはずなのに、また雑草がびっしり生えてきています。ツユクサやアオイの仲間の植物が、きれいな白い花を咲かせています。

じっくりみると大変美しいのですが、イネにとっては大事な栄養素を奪いあう競合関係にあります。「完全無農薬で安全なコメを」というのは簡単ですが、実際にはこの競合関係から、抜け出すのは大変です。

お米が実り始めました。

稲には穂が出始め、花の咲いたものもみられます。例年は、栃窪ではお盆を過ぎてから出るそうです。前回(7月12日)の日記ではくっきりと見えた溝切りの筋が、今ではわかりにくくなっています。
夏の作業は、主にあぜの草との闘いです。この闘いをむしろ楽しもうとする試み「棚田草刈りアート日本選手権」
http://tappo.ecoplus.jp/showart.php?lang=ja&genre=9&aid=597
では、集落内のあちらこちらのあぜに草刈りアート作品が作り出されました。2週間後には跡形もなく草に埋もれてしまいましたが「お盆に帰省する家族に見せたい」と、選手は手入れをして作品をもとの状態に戻していました。

 早くも頭を垂れ始めた穂も見られます。
早くも頭を垂れ始めた穂も見られます。

そうした闘いの間、稲はすくすく育ち、くきの中に穂の赤ちゃんができます。穂が出る18日前に、穂肥え(=穂が実るための肥料)をあげるかどうかを判断しなくてはなりません。外からは見えないくきの中の穂を、どうやって確認すると思いますか?
農家のみなさんは、この時期田んぼに何度も通い、株の高さや根張り、葉の色を見て、
・穂肥えを施すべきか否か
・施すならどのくらい必要か
・いつ施すか
を判断するのです。特にコシヒカリは草丈がのびやすく、肥料をやり過ぎると倒れやすくなるため、注意が必要です。ちなみに今年のオーナー田んぼは、栄養状態がいいので穂肥えは施さないそうです。
穂が出る頃に田んぼに水をかけますが、このタイミングや量も、稲や天気との相談になります。
「稲は人の足音を聞いて育つ」
お米を作る人はそう言います。

穂が出てからは、気温も重要なポイントになってきます。低すぎるとせっかくの穂も中身のお米が実らなくなってしまいます。農村で、自然に感謝し五穀豊穣を祈る行事が大切にされてきたのも、お米が「自然の恵み」でできているということを表しているのでしょう。

 午前中にしか咲かない稲の花です。(8月22日撮影)
午前中にしか咲かない稲の花です。(8月22日撮影)

そんな稲の足下には、この肥料を喜んで取ってしまうコナギやオモダカなど、取りきれなかった「田の草」が生えていて、これから花盛りを迎えます。栄養を取られてしまうのは困りものですが、なかなか可愛らしい花です。

9月6−7日は「田んぼのイロハ」3回目、草刈りやあぜ管理について座学と実習を行います。そのあと4回目10月18−19日はいよいよ稲刈りです。ぜひご参加下さい。
http://tappo.ecoplus.jp/showart.php?lang=ja&genre=2&aid=564