いきものプロジェクト第4回報告

ヤゴ、オタマジャクシ、ゲンゴロウなど、初秋の水辺の生き物を観察しました。
9月21日(日)午後、小雨のぱらつく中、栃窪いきものプロジェクト第4回が行われました。栃窪集落センターに集合した南魚沼市内からの参加者3名は、講師の深沢和基さんとともに、前回(7月31日)と同じ「桐木平」の田んぼ跡の沼地に住む生き物を調べました。

目的地に行くまでの道も前回と一緒でしたが、生き物の様子は全く異なり、何度も足を止めて観察しました。
道路からすぐ見える山すそにトリカブトの紫の花が咲いていたり、とある民家の周りあちこちにたくさんのジョロウグモの巣があり、すぐ道路わきのところでも巣を作っていたりしました。ジョロウグモは本来森や林にいるクモなのだそうです。
農道に入ってからは、濃いピンクのツリフネソウ、色違いで黄色のキツリフネ、オニグルミなどの植物、側溝の水が合流する場所ではシマアメンボやヨシノボリを観察しました。

 1番多く見つかったギンヤンマのヤゴ。オタマジャクシを食べている。
1番多く見つかったギンヤンマのヤゴ。オタマジャクシを食べている。

目的地に着くと、田んぼ跡の沼の表面を網で引き寄せながらすくい上げて、そこにいる生き物を観察しました。一番多かったのはギンヤンマのヤゴで、1時間足らずで9匹見つかりました。マツモムシやクロゲンゴロウも数匹いました。深沢先生によれば「クロゲンゴロウは、前回は幼生だけで成虫はいなかったので、この1か月半の間に成虫になったのだろう」ということでした。「春の生き物」という印象が強いオタマジャクシも10匹近く網にかかりました。この姿で越冬するのではないかと言うことでしたが、観察用のケースの中でヤゴやゲンゴロウに食べられてしまいました。
植物では、ミズオオバコ、ホタルイ、ミクリ、ガマなどを観察しました。

定点観察をしている、沼の向こう側にも行ってみました。そこではしま模様の小さいヤゴや、4−5㎝はあるおおきなオタマジャクシ、3㎝くらいの小さいイモリ、子を背負っていないコオイムシ、ガムシなどを観察しました。

そのまま定点観察も行いました。マツモムシ、ギンヤンマのヤゴ、他のヤゴ、タニシ、オタマジャクシ、ゲンゴロウを観察しました。

 シマアメンボ。よく田んぼにいるアメンボより体が丸い。湧水のきれいな流れや山際の水路などに住んでいる。
シマアメンボ。よく田んぼにいるアメンボより体が丸い。湧水のきれいな流れや山際の水路などに住んでいる。

集落センターに戻ってからのふりかえりでは、参加者から「ミズオオバコを初めて見た」「子ども心に帰った」「こういう魅力をみんなで共有したい」「調べるほど疑問が出てくる」などの感想が聞かれた。また深沢先生からは「沼の植物はほとんどが昔ながらのもの。来年はそれらを詳しく調べてみるのも面白い」という提案もありました。

次回は10月18日(土)午後1時からです。秋が深まり、生き物の様子はどのように変化していくのでしょうか。田んぼのイロハの参加者も加わり、みんなで観察する予定です。