「未来の脅威は環境問題」・・・レスター・ブラウンさんが語る

米国の環境学者レスター・ブラウン氏を招いたシンポジウムが、2010年5月27日に東京都千代田区の憲政記念館で行われました。

 

熱意あふれる言葉がトークセッションで飛び交いました。
熱意あふれる言葉がトークセッションで飛び交いました。

シンポジウムは、ブラウン氏の基調講演の後、竹田義信・アサヒビール社会環境推進部長と高野孝子・エコプラス代表理事の3人でのトークセッションが行われました。

ブラウン氏の基調講演の中で、「低炭素社会に向けた方法論はすでにある。太陽、風力、地熱の3つで、これまでの化石燃料に頼った発電を置き換えるのだ」と主張。すでに中国やアメリカで大規模な取り組みが進んでいることを紹介しました。特に去年のCOP15にあわせて欧州のミュンヘン再保険会社が提唱した「デザーテック」構想を取り上げ、北アフリカの風と太陽のエネルギーを欧州に供給する事業を、政府が関与しない民間の試みとして高く評価していました。

会場には300人近い会社員や若者が詰めかけました。
会場には300人近い会社員や若者が詰めかけました。

ブラウン氏は、「グリーランドの氷床が全部融解すれば、全世界の海面が7メートル上昇する。私たちはいつその限界を迎えるのか、まだ何も知らない。表土の崩壊、魚の乱獲、森林破壊、温暖化ガス。あらゆる課題について何一つ改善を出来ていない人間社会は、文明崩壊の危機にある。次の世代では間に合わない。私たちの世代でこの解決に当たらねばならない」と強い警告を発していました。