植え直しとチェーン除草

6月13日の植え直しから1週間。1回目のチェーン除草が行われました。
6月13日に「田んぼのイロハ」でイネの植え直しを行ったイロハ田んぼ。イネの丈は25センチほどになりました。
21日には、初めての除草作業が行われました。植え直しの後にも少しだけ実演してもらった、「チェーン除草」です。チェーンを縄のれんのようにしてくくりつけた2メートルほどのプラスチックの棒を田んぼで引きずり、チェーンの輪で土の表面をなで上げ、芽が出初めの雑草をひっかけて抜きます。
http://tappo.ecoplus.jp/showart.php?lang=ja&genre=2&aid=879

棒でイネを押し倒しながらの除草ですが、根がしっかりとはっているため、写真の通り、イネは元通りに起き上がります。田んぼには、根こそぎぬけた雑草がところどころに浮き上がっていました。

植え直し直後のイネ。だいたいまっすぐに植えられているものの、苗は少しずつ色々な角度に傾いています。
植え直し直後のイネ。だいたいまっすぐに植えられているものの、苗は少しずつ色々な角度に傾いています。
約1週間後のイネ。葉先がスッと上に向かって伸びています。
約1週間後のイネ。葉先がスッと上に向かって伸びています。

ボランティアと地域住民が一緒にナメコのコマ打ち作業を実施

2010年6月19−20日、新潟県南魚沼市清水で、外部からのボランティアと集落住民が一緒になって、ナメコの菌を丸太に打ち込む「コマ打ち」作業をしました。
2010年6月19−20日新潟県南魚沼市清水で、清水集落内外の人が一緒に、ナメコの菌を丸太に打ち込む「コマ打ち」作業をしました。

2日目には、日帰りのボランティアや勤めが休みとなった住民が加わって、全部で20人になりました。
2日目には、日帰りのボランティアや勤めが休みとなった住民が加わって、全部で20人になりました。

戸数20人口57人と少子高齢化に直面している清水集落では、村の活性化のために2年前から集落外の人とも一緒にナメコの特産化を目指す取り組みを始めています。

今年のコマ打ちは、当初予定していた5月中旬には残雪が多く実施できず、雪どけを待ってから日程を組み直しました。

急な呼びかけでしたが、清水の人たちの活性化への取り組みを応援しようと、首都圏や南魚沼市内からの6人、それにエコプラススタッフ4人の計10人のボランティアが加わりました。夜行バスを使って日帰りで参加した大学生もいました。

作業は集落から車と徒歩で45分ほど行った標高1,000m近くにあるブナ林の中で行われました。昨年秋に除伐しておいたブナ12本分の丸太に、集落の人が電動ドリルで次々に穴をあけ、参加者たちは穴にコマを詰め、金づちで打ち込みました。2日間の12時間弱をかけて、2万6千個のナメコのコマを打ち込むことができました。

作業後はお酒を酌み交わしながら、今後の展開に向けたアイデア交換なども行われました。

大人2人かがりでやっと動くようなブナの丸太にもコマを打ちました。
大人2人かがりでやっと動くようなブナの丸太にもコマを打ちました。

地元の人たちからの「応援がなければ2万6千個のコマを打ち込むことはできなかったので、とてもありがたい」「ナメコが出てきたところは圧巻な光景なので見にきて欲しい」という声に対して、参加者からは「山の中での作業はとても気持ち良く、最高のレジャーだと思った」「原木ナメコの作り方を始めて知った。収穫できるようになるのが楽しみ」との感想がありました。

今年の秋からは2年前に打ったナメコが本格的に収穫ができるようになります。今回打ったナメコは、2年後の秋から本格的に出始める予定です。

‘10生きものプロジェクト第2回報告

6月13日(日)、朝6時からバードウォッチングと生きもの調べが行われました。林の中や周辺で、野鳥の鳴き声を聞いたり、様々な生きものを観察したりしました。
6月13日(日)に、南魚沼市栃窪集落で今年度2回目の「栃窪生きものプロジェクト」が行われました。「田んぼのイロハ」参加者を含む17人が参加し、小出高校教諭の深沢和基さんを講師に、バードウォッチングや生きもの観察を行いました。

針葉樹と広葉樹が混ざった林の中。キビタキやコゲラ、ウグイスの鳴き声がすぐ近くで聞こえました。
針葉樹と広葉樹が混ざった林の中。キビタキやコゲラ、ウグイスの鳴き声がすぐ近くで聞こえました。

最初に栃窪集落センターに集合した時点で、サンショウクイやカワラヒワ、ヤマガラ、ホトトギス、メジロなどの鳴き声や姿を確認できました。
その後、地元の人から「天王さま」「薬師さま」と呼ばれている小さな山の林やその周辺で、観察を行いました。深沢さんによると、その林は、針葉樹であるスギと広葉樹であるホオやイタヤカエデ、クルミなどが混ざっている、典型的な日本の里山とのことです。木には小さな虫が住み、クルミなどの実はリスやネズミなど小さな生きものを支えます。そしてそれらをエサにする生きものが集まり、豊かな生態系を育みます。
キビタキの鳴き声を聞いたり、植物を調べたりしながら林の中を行くと、子どもたちが大きなブナの木の下でクルミのからを見つけました。恐らくリスが運んだものだろうと深沢さんが推測し、こうした痕跡から生きものの行動を想像することが生きもの調べの面白さであり、大切なことでもあると付け加えました。

「トンボの羽を挟んで持つように」と講師から教わる地元の子どもたち。
「トンボの羽を挟んで持つように」と講師から教わる地元の子どもたち。

林の周辺では、幅40センチくらいの川沿いの農道を歩きながら、生きものを探しました。川べりでオオカワトンボ、モリアオガエル、シュレーゲルアオガエルなどを、川の中ではオニヤンマなどのヤゴを、観察することができました。

ふりかえりでは、地元の小学生が印象に残った生きものとしてアワフキムシ、オオカワトンボ、カナヘビなどの名前をあげていました。中学生は「シュレーゲルアオガエルはよく見るがモリアオガエルは今年初めて見たので、数が減ってきているのでは」と話していました。また「田んぼのイロハ」参加者で首都圏から来た人は、「カエルの種類の多さに驚いた」「自然を見る観点を教えてもらえた」と話していました。

田植えと草取りを同時に体験

2010年6月12-13日に、首都圏からの参加者7人が、苗の植え直しや田の草取りなどを体験しました。

 

以前田植えに参加し、手慣れている参加者もいました。
以前田植えに参加し、手慣れている参加者もいました。

6月12-13日に、2010年度の休日農業講座「田んぼのイロハ」の草取りの講座が開かれました。参加したのは、首都圏の社会人7人です。座学では、米作りに欠かせない水について学び、実習では、低温被害で育たなかった苗の植え直しをメインに行いました。

初日は、地元の笛木晶さんを講師に、米作りにおける「水」をテーマにした散策と座学を行いました。散策では、上杉謙信が関東出兵のために通った栃窪峠の古道を歩き、栃窪集落のシンボルである「たる山」に登りました。標高736メートルの頂上には何種類ものチョウが乱舞していました。参加者は栃窪集落の田んぼや水源などを実際に眺めながら、米作りのかんがいについて説明を聞きました。座学では、集落中の水源8カ所を地図で確認し、それぞれの水源の様子などを聞きました。

2日目の実習ではまず田植えをしました。
前回5月16日に植えた苗は低温被害で生長が見込めなくなったため、イロハ田んぼは代かきをして整地し直されていました(http://tappo.ecoplus.jp/showart.php?lang=ja&genre=14&aid=876)

今回の参加者には田植え経験者が多く手慣れていたからか、午前10時前に苗を植え始め、2時間足らずで1反以上の田植えを終えました。

「チェーン除草」の様子。のれん状に3センチ置きにチェーンを取り付けた2メートルの棒を田んぼの上で引くと、チェーンの輪に雑草が引っかかっていました。
「チェーン除草」の様子。のれん状に3センチ置きにチェーンを取り付けた2メートルの棒を田んぼの上で引くと、チェーンの輪に雑草が引っかかっていました。

田植え後は、すぐ隣の無農薬田んぼで草取りを体験しました。講師の桑原一男さん・信子さん夫妻は、両手のひらで田んぼをかき混ぜるようにして草を手早くかき集め、泥に埋めるやり方を実演してくれました。さらに一男さんは、昔の人が考え出した「くるま」という手押し車のような道具を使った除草や、今年から試みているチェーンを使った除草も紹介してくれました。参加者は雑草が多そうなところをねらってバラバラに田んぼに入り、昼食になるまで草を取り続けました。

ふりかえりでは参加者から「草取りと聞いてただ草を抜くだけかと思ったら大変な作業だった」「小学校の時に田植えと稲刈りだけやったのはいいとこ取りだったのだと思った」「苦労してお米が作られていることを知れてよかった」などのコメントがありました。

無農薬の米作りにおける草とのたたかいは、この後、田んぼを囲むあぜでも続きます。

高野孝子の新刊「地球の笑顔に魅せられてー冒険と教育の25年」直販も開始

エコプラスの高野孝子代表理事の最新の著書「地球の笑顔に魅せられてー冒険と教育の25年」が発行されました。世界各地への旅の様子とエジンバラ大学などでの研究生活、そして南魚沼での実践が紹介されています。

 

青空が広がる表紙。帯の下には、雪に覆われた南魚沼の風景が広がる。
青空が広がる表紙。帯の下には、雪に覆われた南魚沼の風景が広がる。

高野孝子の最新著作「地球(ガイア)の笑顔に魅せられて」(海象社、税別1,600円、324ページ)が発刊されました。オンライン書店では品切れが出ているため、エコプラスからの直販も始めました。

この本は、高野がドキュメンタリー映画「地球交響曲第七番」にも登場して露出が増えるのにあわせて、これまでの25年を超す活動を総ざらいする本を出すことを、理事会や海象社の山田一志さんらと考えてきました。しかし、高野自身がプログラムの組み立て・実施や研究活動に追われ、執筆時間がどこまで取れるかが、大きな課題になっていました。

英国ケンブリッジ大学での研究生活の紹介では、ガウン着用のディナーの様子も。まるでハリーポッターの世界。
英国ケンブリッジ大学での研究生活の紹介では、ガウン着用のディナーの様子も。まるでハリーポッターの世界。

同時に、過去に行った様々なプログラムの報告書や外部に書いた記事など、資料はぼう大で、再整理するのも大変な作業になりました。

四半世紀に及ぶ野外活動や調査研究を再整理したという点では、高野とエコプラスのこれまでの足取りを確認する内容になったと思います。

特に後半の第3部環境教育編は、改めて環境教育と野外教育の意義を、日本と世界のさまざまな実践をもとに再定義する中身となっていて、迫力があります。

単に「地球にやさしい」という情緒的な態度でなく、人間が社会と歴史に対して正しく立ち向かうためには、自らの命がいかにささえられているのかをきちんと知らなくてはならない、という高野の信念が、あちこちに登場します。

「自分たちが育った地域のことを知りもせず、都会に出るための教育を続けていて、人が誇りと夢を持って地域に定着するはずがない」。高野は「根っこ教育」の重要性を繰り返し強調しています。

直販のお申し込みは、郵送先、氏名、必要部数をinfo@ecoplus.jpへ。送料無料。同封の郵便振替用紙でお支払い下さい。

ネット書店からの購入には以下などからどうぞ。

オンライン書店ビーケーワン(24時間以内出荷)
http://www.bk1.jp/product/03302181

ジュンク堂(在庫あり)
http://www.junkudo.co.jp/detail.jsp?ID=0111737673

アマゾン(入庫待ち)
http://www.amazon.co.jp/dp/4907717067?tag=ecoplus-22&camp=243&creative=1615&linkCode=as1&creativeASIN=4907717067

米作りにおける「水」について 座学編

座学では、水源の場所や状態、田んぼの水管理などについて教わりました。
(栃窪の湧き水について)
*8カ所の水源に番号をふり、地図でそれぞれの場所を確認しながら説明を聞いた。
1、飲み水を取っている。
2、もこもこと湧き出ている。この水がなければ栃窪には住めなかったと思う。
3、散策で訪ねた場所。昔より水の量が減っているが、重要な水源のひとつ。
4、(特に説明なし)
5、樽山の下。若干、水が湧き出ている。
6、「天王さま」という、信仰を集める山の近くにある。
7、通称「かましみず」。多く水が出ている、重要な水源。
8、2軒の家が使っている。冬には消雪にも使っている。

(田んぼと水)
(高野)地図を見ると田んぼがたくさんあることがわかる。
(晶)栃窪には60町歩田んぼがある。
(岡田)1町歩が3千坪なので、60町歩18万坪くらい。

(高野)田んぼの水管理について教えてほしい。
(晶)田んぼは一番始めに荒起こしをし、水を張る。水を張っておくと草が生えるのを防ぐことができる。それから代掻きをして、田植えをする。代掻きする時に水が必要。
代掻きをして2、3日で田植えをしないと草だらけになる。明日田植えをする田んぼは、草がいっぱいになっていたので、今日代掻きをした。代掻きすると水草が水面に浮くので、すくって田んぼの外に出した。
田植えをする際にはいったん水を落とし、植え終わったら再び水を張り、張ったままにする。水を張っておかないと草だらけになる。今、晴れが続いて水が枯れそうなところがある。火曜日の予報が雨なので、待ち遠しい。田んぼによっては、何度水を張ってもザルのようになくなるところがある。
稲は分けつして大きくなる。あまり分けつさせるのも良くないので、適当に分けつ
したら水を抜く。これを「中干し」と呼び、20本くらいになったときに水を落とすと成長が止まる。中干しをして根が張るようにする。
稲刈り前に、田んぼを乾かすために田んぼに溝を作って水を落とす。昔は手で刈り取ったので、ぬかるんでいてもよかったが、今は機械で刈り取るので、地面が固くないといけない。

(ホタル)
(浅原)ホタルは見られるか
(晶)もう少し経たないとみられない。ホタルも少なくなった。カワニナがいなくなった。

(バケツ稲)
(江崎)バケツで稲を育てているが、梅雨の時期は室内にいれたほうがいいか。
(晶)外でいいと思う。
(江崎)バケツ稲も15-20本に分けつしたら中干しをしたほうがいいのか。
(晶)子どもたちにどこまで見せたいかだと思う。中干しせずにそのままにしておけば大きな株になると思う。

米作りにおける「水」について 散策編

座学の前に、栃窪峠に通じる古道を経て集落のシンボルである「たる山」に登った。周辺の景色を見渡しながら、テーマの「水」についての説明や集落の歴史にまつわる話などを聞いた。

栃窪の護国観音の周辺にて、水源や田んぼを見渡しながら、水源などの話を聞いた。
栃窪の護国観音の周辺にて、水源や田んぼを見渡しながら、水源などの話を聞いた。

(栃窪の「水」)
1)栃窪の水源
栃窪から南西部の山々の水がもっとも豊かだが、水利権を巡る裁判で隣の天野沢集に負けたため、その水が使えなくなった。栃窪の後ろにあたる、自分たちが立っているこの辺り(栃窪峠の頂上)の水は、ほとんどが十日町方面に行ってしまっているらしく、栃窪には流れてこない。
水は田んぼには大切なものだが、十分な水の確保には昔から苦労している。

栃窪の「三大水源」と呼ばれるわき水のポイントのひとつ。
栃窪の「三大水源」と呼ばれるわき水のポイントのひとつ。

栃窪の水源は雨水や雪どけ水、窪地にしみ出る水など、天水と地下水。栃窪には「三大水源」と言われるわき水があり、少しはそれでうるおっている。日照りでもかれることがなく、米作りにも飲み水にも利用した。昔より水の量は減ったようだ。(写真でそのうちの一カ所を訪ねたことを載せる)
天野沢集落と栃窪集落に水路が分かれる分岐点がある。水不足の時は、その場所に線香やロウソクを持って行き、1本が燃えるごとに水の流れを変えるなどして水を分けあった。
昔は田んぼから田んぼへ水が流れる仕組みであったが、今は田んぼからいったん排水されると水は側溝に流れていってしまう。これは平場のやり方で、本来は違う考え方をしなければならなかった。用水と排水を一緒にしなければ、栃窪では全部の田んぼに水が行き渡らない。
わき水を利用しながらの作付けなので、冬の間に雪を集めたダムを作るなどして水不足の心配を解消したい。今も不足し始めているが梅雨に入れば心配ない。

2)栃窪やその周辺の温泉
今では使われていない、集落の上の方の棚田地帯で石油を掘ったことがあったが、石油は出ず鉱泉が見つかった。笛木健作さんの家の親戚が昔そこで温泉をやっていたが、なだれでつぶれてしまった。同じように石油を探して見つかった温泉が十日町市の「鷹の湯」。その他にも大沢山温泉などがあり、すべて鉱泉。西山の水脈には鉱泉が豊富なようだ。

(栃窪の地理学、歴史など)
1)地形
栃窪が含まれる「西山」というところは、海底が隆起してできた地域。貝の化石がたくさん見つかっている。

2)歴史
栃窪峠は、三国峠と清水峠へ行くための分岐点で、重宝に使われてきた道。「湯沢線」という県道が通っていたほど、交通量があった。
栃窪の始まりは古く、応仁の乱の際、京都から湯沢の貝掛温泉に逃れてきた万里集九(ばんりしゅうく)という僧侶が、栃窪峠で詠んだ句が今でも残っているそうだ。

3)自然、暮らし
栃窪峠の斜面を見渡すと、一面に50センチから1メートルくらいの丈の雑木が生えているが、こうした木は「柴木」と呼ばれ、全部切って燃料にしていた。山の表面には何もなく、冬はなだれが起きやすかった。夜風呂に入っているとものすごい音がしたものだった。

*峠の頂上に薬師如来をまつった小さなお堂があり、その隣には樹齢300年ほどと思われるスギがあった。スギの周囲は、大人4人が両手を広げて囲むほどで、6−7メートルはあると推測された。
100年ほど前に建てられたという、講師が住んでいる家は、お堂の近くの木が使われているとのこと。冬、「だいもち」と呼ばれるそりを使い、切った木をすべり下ろしたそうだ。

低温被害でイロハ田んぼ育たず

5月中旬に田んぼのイロハで手植えした「イロハ田んぼ」は、低温被害でイネの生育がほとんど止まってしまいました。

田植えから4週間近くたったのに、田植え直後とほとんどみかけが変わらないイロハ田んぼ。
田植えから4週間近くたったのに、田植え直後とほとんどみかけが変わらないイロハ田んぼ。

低温被害がついに出ました。
今年は、3月が暖かく、4月に寒気が入り、5月の連休の後もまた寒さが続いて、新潟県には低温注意報がずっと出ていました。

このため、5月中旬に植えた苗が、ほとんど育たない状況でした。5月16日に、TAPPOの「休日農業講座、田んぼのイロハ」で田植えをした場所では、苗がほとんど育たないままです。

根元が茶色いままのイロハ田んぼの苗(右)と、元気な隣の田んぼの苗(左)。
根元が茶色いままのイロハ田んぼの苗(右)と、元気な隣の田んぼの苗(左)。

6月8日午前10時ごろに、苗のいくつかを抜いてみると根っこが茶色くからまったままになっています。本来なら白い元気な根が、どんどんと四方八方に伸びる時期なのですが、全然伸びていません。

一部の苗は倒れて水没しているもののあります。
6月に入って田植えをした隣の田んぼの苗は、しっかりして、白ヒゲのような太い根っこが飛び出していました。

「こうなったら、化学肥料の窒素をぶち込めば助かるのだか」と、通り掛かりの農機具屋さんはいいます。が、ここは完全有機無農薬田んぼです。

「もう一度植え直させてくんないかい」。管理をしているとちくぼパノラマ農産の笛木晶社長が、残念そうに話しました。

今週末には、この田んぼで草取りを予定していたのですが、それどころではにない状態です。田植えのやり直しになりそうです。植え直し田んぼはほかにもいくつもあるとのころです。

自然と向き合うのは、なかなか大変なことのようです。

田植え後の苗の様子

イロハ田んぼの田植えから2週間ほど経ちました。

田んぼ全体の様子。
田んぼ全体の様子。

田んぼに苗を植えてから約2週間。苗を植えた16日から4、5日間はくもりでした。ずっと気温が低く、日中でも15度を下回ることがありました。そのために苗の生育が遅れ、植えられた時とほとんど同じ大きさのままです。葉っぱの色も薄くなってしまいました。

オタマジャクシが田んぼ全体のあちこちにいました。水が深いところのイネは、写真のようにモで押し倒されているものもありました。
オタマジャクシが田んぼ全体のあちこちにいました。水が深いところのイネは、写真のようにモで押し倒されているものもありました。

水面にはモが少しずつ繁殖してきて、土の表面にはコナギという雑草の芽がたくさん生えています。そしてその間を、小さなオタマジャクシやアメンボ、カエルなどが行き来していました。

5月31日からは20度を越える陽気が続き、6月3日は日中30度近くまで気温が上がりました。辺りからはカエルの鳴き声に混じってカッコウの鳴き声も聞こえました。この天気で苗が育つことを祈ります。