クロサンショウウオの成長過程を観察。10月のいきものプロジェクト

2010年10月17日(日)の生きもの調べでは、クロサンショウウオの幼生の、エラがあるものとないものを観察し、成長の段階の違いを見比べました。
10月17日(日)に、南魚沼市栃窪集落で「栃窪生きものプロジェクト」が行われました。講師は小出高校教諭の深沢和基さん。集落内外から13人が参加し、清水が流れ込んでいる池や毎回観察しているスイレン田んぼ、山の林の中などで、生きものの観察を行いました。

出発前に、深沢さんが近隣の地域で見つけた、ルリタテハというチョウの幼虫や、ツクバネという植物の実を見せてくれました。ツクバネは羽根つきの羽根と同じ形で、落とすとクルクル回ります。子どもたちは何度も放り投げて、回りながら落ちる様子を楽しみました。

池の泥をどんどんすくう子どもたち
池の泥をどんどんすくう子どもたち

池では泥を網ですくって生きものを探したところ、クロサンショウウオの幼生、アカハライモリ、ヤゴ、アカムシなどが次々と出てきました。
クロサンショウウオの幼生には、ウーパールーパーのようなエラがついているものと、ついていた形跡が少し残っているものとがいました。深沢さんによれば、エラが完全になくなると池から山に移動するそうです。

他には、イナゴ、茶色いケムシ、ツチガエル、トノサマガエルと思われるカエルなどがいました。

続いて訪れたスイレン田んぼでは、ミズオオバコの花がきれいに咲いていましたが、夏に見かけたタヌキモは見られませんでした。

15分ほど歩いた山の林では、お目当てのツクバネは見つからなかったものの、ホコリタケという、袋状になったカサの脇を押すと真ん中にある穴からけむりが出るキノコや、スギヒラタケ、スギエダタケなど、キノコをたくさん見つけました。シュレーゲルアオガエルのオスとメスも観察できました。子どもたちは特にケムリタケが気に入った様子で、みんな必死になって探しまわっていました。

エラだったと思われる突起が残るクロサンショウウオの幼生
エラだったと思われる突起が残るクロサンショウウオの幼生

最後のふりかえりでは、クロサンショウウオの幼生のエラがあるものとないものを見比べたことが楽しかったという意見や、寒くなっても生きものをたくさん観察できたことなどが印象的だったという感想が寄せられました。

次回の生きもの調べは11月6日(土)13時からです。

山里の秋の自然と味覚を堪能

2010年10月16-17日、新潟県南魚沼市栃窪集落で「山里の秋のパノラマウォークと食と暮らしの講座」を開催し、参加した12名が栃窪の自然の豊かさを体感し、ツル細工や秋野菜の収穫、郷土食を楽しみました。
今回参加したのは、山里の生活や農業に関心があるという大学生など、12名。

2日間とも好天に恵まれ、初日は地元の笛木信治さんの案内で、杉林や稲刈りが終わった田んぼの脇を散策しました。

色づき始めた標高500メートル前後の斜面には、ムカゴやアケビ、マタタビなど食べられるものがいっぱい。
色づき始めた標高500メートル前後の斜面には、ムカゴやアケビ、マタタビなど食べられるものがいっぱい。

うっそうとしたヤブの中に立ち入ると、そこはアケビやムカゴの実など、山のおやつの宝庫。恐る恐る食べてみたところ、意外とおいしいと好評でした。

昔はもっと田んぼや畑が広がっていて、アケビの実などは難なく取れて子どもたちのおやつになっていた話や、草刈りが行われなくなった結果、山が荒れ、クマも出没するようになったなど、地元の人からでないと聞けないお話を伺いました。

畑の講座で、新潟特産の食用菊を摘む。花びらが細長い袋のようになっているので内部にダシが入っておいしくなる。
畑の講座で、新潟特産の食用菊を摘む。花びらが細長い袋のようになっているので内部にダシが入っておいしくなる。

2日目は、秋野菜の収穫と郷土食の試食。地元の笛木則子さんの畑に案内いただき、ダイコンやゴボウ、ニンジン、サトイモなどを、交代で収穫しました。新潟特産の食用菊も栽培されており、直径10センチ近い見事な黄色い花を摘む作業もしました。

初めて野菜を自分の手で収穫した人も多く、野菜がどのように作られているのか、直接学ぶ貴重な機会となったようです。

収穫した野菜類は、地元の女性たちで構成された“かあちゃんず”の人たちの手で、けんちん汁となりました。参加者も野菜の天ぷら揚げや、盛りつけ作業などに入り、10種以上の料理を作り上げました。

菊の黄色、ニンジンの赤、手作り豆腐の白など、色鮮やかで盛りだくさんの昼食ができ上がり、参加者は、食感や味の良さに驚きながら、山の秋を楽しみました。

アンケートでは、「自然にあるものを取ってそのまま食べたのは新鮮な感覚だった」「交流会で農業や林業の現状について話を聞き、農山村で生活していくことの厳しさを痛感した」などの声が寄せられました。