「ECOCLUB」カテゴリーアーカイブ

ヤップ・カオハガンの仲間95人が参加
Ex-participants enjoyed talking online with friends


Big reunion of Yap & Kaohagan Program Cerebrating 30th year

30年目を記念する大同窓会を開催

 ミクロネシア連邦のヤップ島を中心に開催してきた「地球体験チャレンジ」が、今年で30年目となるのを記念して、これまでのプログラム参加による大同窓会が、2021年9月4日午前10時から正午まで、オンライン形式で開催されました。小学生から20代半ばまでで参加した若者たちは、40歳代半ばを筆頭とする立派な大人となり、沖縄から北海道、そして米国、欧州、アジア、豪州など各地で活躍中。同じ時期に参加した仲間たちとの分科会などで、久しぶりの会話が弾みました。

Celebrating 30th year since ECOPLUS started the program in Yap, Micronesia and Kaohagan in the Philippines, a big reunion was held online on Sept. 4, 2021. Ex-participants who were elementary students to early 20s were now well grown adults living in all over Japan and the world from Hokkaido to Okinawa, US, Europe, Australia and other Asian countries. All of those enjoyed talking with old friends doing the session.

I addition to the ex-participants and supporting staff, we had Tina, Linda, both participated invitation tour to Japan in 1997, and En, Sean, both participated Japan tour in 2013, 17 and 19, from Yap.

 集まったのは、ヤップ島のほか、フィリピンのカオハガン島でのプログラムに参加したかつての子どもたちなど計95人が参加。ヤップ側からはティナさんとリンダ(いずれも1997年、高校生の時に日本へ招へい)、エンさん、ショーンさん(いずれも2013年、17年、19年、日本に招へい)が参加してくれました。

 司会進行は、田中にがつさん(94年参加)、川口大輔さん(99年参加)。最初に、これまでの計36本のプログラムをふり返るスライドを見た後、エコプラスの髙野孝子代表理事からこれまで30年をふり返ってのカオハガンとヤップの変化を報告。事務局の大前からも、エコプラスの現地での環境保全活動などの状況の説明を行いました。

Under the direction of Nigatsu, participated in 1994, and Daisuke, participated in 1999, the event was proceeded. TAKANO Takako, executive director of ECOPLUS had a presentation about the situation of Yap and Kaohagan. OHMAE Jun-ichi, Manager of ECOPLUS, explained about it projects in Yap for sustainable future.

Based on the year of participation, we broke out into 18 sessions. Some were first time to join in such reunion but participants clearly identified each other with old memory and chatting were not easy to be stopped.

 参加した年などに分かれてのブレークアウトセッションは、全部で18。参加年、滞在場所など共通項で分かれてもらいました。90年代にプログラム参加して以来という人もいましたが、面影はそのまま。にぎやかな会話が続きました。

 再度の全体会では、ヤップ側からのメッセージをもらった後、4人の参加者がそれぞれの体験が今にどうつながっているかを発表してくれました。商社に勤めていまはオーストラリアに駐在する男性は、「ヤップで得られたのは相手を尊重し理解する姿勢。聞く力だと思う。世界観が違う相手と仕事をする時に役立っている。時代は、資本主義が自然との調和を取ろうとしていると感じている。この機会にヤップの経験者が知恵を出し合っていくのだ大事ではないか」と話してくれました。

In the second general session, messages from Yap were given then 4 ex-participants had short talk about their life after the program. One person working for a Japanese trading company stationed in Australia said “I leaned the way to hear the voice from the different culture in the program. It was the base for my life. Now the capitalism is seeking the harmonious relations with the nature. It might be the good time for the ex-participants to work together”.

 再度のブレークアウトセッションなどを経て、午後零時過ぎに公式行事は終了。その後も、半分前後が残っての2次会と続きました。

 画面には、子どもたちの顔があちこちに出てきました。まだ数カ月の赤ちゃんから中学生まで。30年で、世代がぐるっと一巡りしたことを感じさせました。

 「しあわせって何だろう」
 自然に近い暮らしの中で、何が真の豊かさかを考えることが、プログラムの目的でした。
 それぞれのみなさんが、しあわせとは何かをいまもしっかりと考えながら生きていることを感じた同窓会でした。

After another breakout session, the event was concluded in two hours and 15 minutes. After the official closing, still we had an half of the participants in the conference room and continued talking.

During the meeting faces of some month old babies to junior high children were repeatedly appeared. In these 30 years, a wave of one generation surely progressed.

“What is the true happiness?” This was the main common theme of our past programs. Through out the session, each person looks like living their life with this question in mind.

シリーズ ヤップでまかれた種たち

第3回:高梨晃さん

丹沢の森とヤップ
手もみ茶づくりが育む豊かな体験

 地球体験チャレンジ「ヤップ島プログラム」30周年を迎えるにあたってスタートした連載企画「ヤップでまかれた種たち」。ヤップを経験した仲間たちのストーリーから、ヤップの意味や価値、そして今後の社会づくりを考えます。

 第3回目のストーリーテラーは、神奈川県秦野にある高梨茶園にて、四代目を務める高梨晃さん(33)。ヤップ島プログラムを体験した多くの参加者が、事前キャンプを行う地「丹沢」で、先代から家業を受け継ぎ、茶園を営んでいます。

 今回のインタビューでは、丹沢の地域への想い、手もみ茶へのこだわり、茶業を継ぐことの覚悟、そして自らもヤップ島プログラムに参加したことが与えた影響について、語ってもらいました。

オンライン・インタビューの高梨晃さん

丹沢山麗に茶園を構えて

 「機械がない時代に、昔の農家の方は、お茶の葉を自分で摘んで、蒸籠で蒸して、炭火で乾かして、茶缶に入れて、自分用のお茶を1年間分つくっていたんですね。畦畔茶(けいはんちゃ)と言うんですが、土地と土地の境目にお茶の木を植えて、それを5月に摘んで。そういう昔のお話を語りながら、お客様に実際にお茶摘みや手もみをしていただく。そうした体験を大切にしていきたいんです・・・」

 神奈川県秦野の丹沢山麗に、約3ヘクタールの茶畑を構え、丹沢遠山茶をつくる高梨茶園。昭和28年、高梨さん曽祖父の代にそれまで行っていたタバコ栽培を手放し、雨の多い丹沢特有の気候を生かしたお茶の栽培に切り替えました。高梨さんは、22歳までに静岡と茨城での修行を終え、家業を継ぐべく秦野に帰ってきて、10年以上が経ちました。

 高梨茶園は栽培や生産に特化するのではなく、茶畑に苗木を植え、茶葉を収穫して乾燥させ、工場で茶葉まで加工し、お客様にお届けするという六次化まで自分たちで担うスタイルを大切にしています。「自分たちで販売するところまでやっている茶園は、全国でもそんなに多くはないのかなと思います。直接お客様にお茶を届けて、シンプルに喜んでいただけたときが、とってもうれしいですね」と、この仕事の醍醐味を語る高梨さん。

そんな高梨茶園ですが、エコプラスとは実は深いつながりがあります。ヤップ島プログラムでは、事前プログラムとして丹沢でキャンプを行うのですが、その丹沢の森の管理をしている森林組合の責任者がお祖父様でした。

 「うちのお祖父ちゃんに聴くと、高野さんがまだ20代くらいのときに『この森にキャンプを張りたいんですけど』と相談に来られたそうです。それ以来、エコプラスがこの森を拠点に活動をされていて。私がみなさんと初めてお会いしたのは16歳くらいの時で、最初は『何をしている団体なんだろう?』と不思議に思っていました。ただ、参加者のみなさんが、キャンプに入る前と終わった後に茶園にご挨拶に来てくれる際に、森から帰ってきたみなさんの表情が全く違って、目がとてもきらきらしているんですね。『昨日の夜こんな大変なことがあってね・・・』と語る姿が、疲れてはいるんですけど何となく自信がついているように見えて。1日でこんなに人が変わるって、『一体この団体は何をやっているのだろう?』と興味をもったのが最初の出会いでした」

 そこからエコプラスの活動に関心をもってくださった高梨さん。その後、高梨茶園に協力いただき、エコプラスが参加者を募り毎年のように実施した「手もみ茶づくり講習会」では、修行を終えて戻ってきた晃さんが、お父様の孝さんとともにお茶づくりの指導を行ってくれるようになりました。

 手もみ茶づくりの技術を競う全国大会で2位になった経験もある高梨さん。お茶づくりへの想いはどのように育まれてきたのでしょうか。

自然をとことん感じた「雪ざんまいキャンプ」

 エコプラスは、2021年3月20日~22日に、新潟県南魚沼市の巻機山(1,967m)中腹の清水地区で、「雪ざんまいキャンプ」を行いました。新型コロナウイルスの対応のため、ご縁のある高校生、大学生、社会人13人が、事前の自主隔離やPCR検査を経て参加しました。

 今回は、前日19日の準備段階からほとんどの人たちに加わってもらい、3m前後の雪が残る清水地区に移動。設営作業を行いました。

 青空に白い山がそびえ立つ見事な光景の中、本部テントの資材や薪をソリに積み、かんじきを履いて、設営場所に引き上げました。集落の長老3人が慣れた手つきで立ち木にロープを通してブルーシートを張ります。手際の良さにみんなびっくり。ドラム缶を切ったコンロ3基が置かれ、それを囲む椅子が雪を掘って作られました。

 20日も午前中は快晴。みんなが一列になって雪を踏みしめて平らにして、そこに宿泊用のテントを設置しました。コロナ対策で、テントの収容人数を減らしたため、全部で7張。

 お昼は、雪面を掘って作った雪のテーブルを囲んでおにぎり。午後はトイレ作り。近くの杉林の中に、男子チームは、周りをレンガ塀のように雪で囲みました。トイレに向かう斜面には階段を作り、両脇には杉の葉を植えて、おしゃれな小路に仕上がりました。一方、女子チームは、木と葉で念入りに目隠しを作り、飾りのついたこじゃれたトイレに。ちなみに、手とおしりは雪で洗います。

 雪の中では、工夫次第で、テーブルも、風よけの壁も、食器棚も、何でも作れてしまいます。

 夕方には小雨が。2つのチームに分かれて、それぞれ一斗缶を改造したコンロ2つを使って、コメを炊き、おでん風ミルクシチューを作りました。夜になると、雨風が強くなり、ごーごーという風の音を聞きながら眠りました。

 21日は、地元の阿部和義さんの案内で集落の後にある、「後山」へ。集落を雪崩から守るために、絶対に切ってはならないというおきてがある場所。樹齢百年以上のブナの巨木が並ぶ斜面を歩きました。開けた場所では、ビニールシートを尻にしいてそりをしたり、鹿やウサギの糞、熊が木に登った爪痕を観察したり。カモシカがすぐ下を歩いているのを、目撃出来た人もいました。

 夕方近くからは寒冷前線の通過で、強風とともに本降りに。その中でも、もう自由に火を操れるようになったみんなで、夕食を準備。地元からはイノシシとシカの肉が入った大鍋の差し入れも登場しました。

 雨風はその後も続き、テントのフライシートが飛ばないか、気を遣いながらの夜となりました。

 明け方になると、今度は小雪が舞う状態。朝食後に、ススで真っ黒になった鍋を木灰と杉の葉で磨き上げるなどして撤収作業を進めました。

 自然を体験するだけではなく、暮らしを組み立てることが、エコプラスのキャンプの大きな目的です。地元のみなさんからも、その地で積み重ねられてきた暮らしの知恵を学びます。

 参加したみなさんからは「自然の中で暮らすことでこんなにも知らない世界があることが分かった」「雪だけでこんなにもいろんなことが出来る」「普段の暮らしが、どれだけ自然を切り捨てて営まれているかを感じた」などのコメントが寄せられています。

ミクロネシアとオンライン交流

The First Online Conference connecting Micronesian Island and Japan for Sustainable Future

 2021年2月20日(土)にヤップ島と日本を繋ぐ初のオンライン交流会が開催されました。ヤップ島を含む太平洋の島々からヤップ側が5名、日本から過去のヤップ島プログラム参加者ら8名が参加しました。

 ヤップ側の5人は、ショーン(仕事で訪れているチューク州から)、エン(勤務先のポンペイ州から)、ティナ(滞在先のグアムから)、そしてマルベイとケンがタミル地区からと、ミクロネシア各地からの参加でした。

The first online conference connecting Yap and Japan was held on Saturday, February 20, 2021. Islanders of Yap joined the conference; Sean Gaarad was from Chuuk, Ivan En was from Pohnpei, Tina Filled was from Guam, and Jeff Marbey and Ezekiel Ken from Yap. From Japan side, in total of 8 persons including ex-participants of Yap-Japan Cultural exchange program joined.

 交流会では、経団連自然保護基金の支援によって行われているプロジェクト「タミルの持続可能な将来計画作り」について、現地からの報告と全体でのディスカッションを行いました。

The theme was “How to realize the sustainable society of Tamil municipality, Yap”. In the conference, we had a presentation by Sean and live reports from ocean side of village of Maaq and Merur in Tamil. It was a part of the project called “Sustainable Tamil,” supported by Keidanren Nature Conservation Fund, Japan.

 最初に、参加者同士が自己紹介をした後に、ヤップ島のマ村とメルール村からスマホのカメラによる生中継が行われました。

 ヤップ島には2019年に光ケーブルが陸揚げされ、インターネットが高速化しましたが、島内のネットワークがまだ弱く、画像は途切れ途切れ。しかし、波や風の音が聞こえ、メンズハウスの様子がリアルタイムで映し出されると、日本側の参加者はびっくり。過去参加者の中には20年近いギャップがある人もいましたが、それぞれ懐かしいヤップの景色と風を感じました。

Although Yap now has a submarine fiber optical cable connection since 2019, its local network is still depending on ADSL connection using metal cables. So the connection was unstable, however, viewers from Japan could see the views around their familiar men’s houses with the sound of wind and waves. Participants, some of those joined the program about two decades ago, had very memorable time over the screen.

 次に、プロジェクトの中心メンバーであるショーンより、タミル地区の紹介と、プロジェクトの現状報告がありました。

First, Sean, a core member of the project, introduced the Tamil municipality and reported on the current status of the project.

The cultural characteristics of Tamil are that they respect each other, history and culture are inherited in practical ways such as oral tradition and dances, the community cooperates for a common purpose, and the existence of the family is very important. 

 タミル地区の文化的な特徴は、お互いに尊敬すること、文字がないため口承や踊りなどの実践的な方法で歴史や文化が引き継がれていること、コミュニティが共通の目的のために協力すること、そして家族の存在をとても大切にすることです。

 そんなタミル地区で計画されている「エコツーリズム」は、島を訪れる人にもコミュニティ全体にも意義があり、環境や社会への負荷が少ない持続可能な「観光」のあり方を創造することを目指しています。

In the project, a trial of “ecotourism” was set as one of main goals. Ecotourism aims to create a sustainable tourism that has less impact on the environment and society. In other words, it seeks to benefit both visitors and the community as a whole.

 タミル地区では自分たちの回りに、どのような「宝物」があるのかを見つけるために、村歩きが行われています。ショーン自身も知らなかった地域の歴史や自然環境の特徴などを村の他の人から学ぶ機会になり、多くの発見があったそうです。マ村とメルール村ではホームステイやグループステイの受け入れ態勢を構築中。訪問者に提供する食事についての話し合いも行われるとのことでした。

To begin with the preparation for ecotourism, villagers walked around each village to identify the ‘gems’ which are valuable to themselves and also to the visitors. It was meaningful for villagers to learn some histories and natural characteristics in the area. 

In addition, it was reported that Maaq and Merur village were ready to host both homestay and group-stay visitors. It was also informed that meetings, about what food would be provided to visitors, would be held in coming weeks. 

 最後のディスカッションでは、ショーンから「文化、自然環境、人、宿泊施設、アクティビティ」5つのキーワードのうちどれが一番、人々の関心を引くことができると思いますかと問いかけがあり、それについて日本からの参加者が意見を出し合いました。

There is not something “Always showcased luxury” in Tamil but there is something in the living life that can amaze visitors. For instance, fruits, scenery, local dance and so on. In the final discussion, Sean asked Japanese participants which of the five keywords “culture, natural environment, people, accommodation, activities” would be the most interesting to people. The participants from Japan exchanged their opinions to answer the question.

日本人参加者からは以下のような指摘が出されました。

  • 5つ全ての要素を貫くような体験が良いのではないか。
  • いわゆる「観光客」ではなく、本質的な学びを期待する人たちを対象にしたらどうか。
  • 地元の子供や若者を巻き込むことで、外から来た人たちがヤップの文化をどのように評価しているのかを知る機会になるのではないか。
  • ヤップの人々がどのように関わり合っているのかを知ることが一番インパクトがあり重要ではないか。
  • アクティビティはお金を払ってやるようなものではなくて、星空の下で海に入るなどのヤップにいることを感じることが大事ではないか。
  • どこまでローカルにするかが課題。初めて訪れた人にとっては、トイレやシャワーなどの最低限の設備も必要になるはず。

Feedback from Japanese participants:

  • All of the 5 elements are important. To integrate whole experiences would be important.
  • Target the visitors not like the people who come to Colonia as a ‘tourist’, but those who really want to learn from the locals.
  • It is good to invite local children and youth to the ecotour. It will be a good opportunity even for them to know how foreigners appreciate the local culture and nature they have, and visitors can also see how the cultures and wisdoms are inherited in Yap. 
  • To see how Yapese people are interacting with each other is the most impressive and important. 
  • It is important just to be in Yap, not buying experience. 
  • How much of the depth of the locality the host would provide to the visitors? For those who visit Yap for the first time, basic facilities such as toilets and showers would be needed or not…

 こうしたフィードバックを受けて、ヤップ側からは、たくさんのお礼の言葉と共に、考えを深める機会になった、これから本格的にスタートしていきたいと意気込みが語られました。

 新型コロナウイルスの影響によってエコツアーのトライアルなどは延期されていますが、日本と現地の往来が可能になれば、ヤップ島プログラムの参加者らを対象にしたエコツアーをすかさず実施する計画です。お楽しみに!(記録:猶井咲喜)

Although the project plan had to change due to Covid-19, it was a good opportunity to know the possibilities to connect online and share the information.  (reported by NAOI Saki)

雪を、とことん利用して暮らす、遊ぶー雪ざんまいキャンプ2021

 雪をとことん利用して暮らし、遊ぶキャンプです。生活の場所やトイレも自分たちで作り、料理も片付けも雪を利用します。自分の「当たり前」を疑い、新しいことに挑戦し、工夫し、学び合います。人と自然の関わりについて一歩気づきを深めます。地元の暮らしにも思いを馳せ、自然と関わって文化が生まれ、風土を構成する様子を体験しましょう。自分を見つめる機会にもなります。

 

 例年、ドキドキや不安で始まり、発見や喜びに溢れる密度の濃い時間となる雪ざんまいキャンプ。去年に続いて、今年も高校生から若い社会人を対象としたいと思います。

 コロナウィルスを持ち込まないため、今年はエコプラスや髙野代表理事の顔の見える範囲の人たちで、事前からの感染対策を取って実施します。

  • 日程:2021年3月19日事前準備、20日(土)―22日(月)2泊3日雪上キャンプ(19日に都合がつかない人は20日の朝入り)
  • 場所:南魚沼市清水集落(上越線越後湯沢駅、塩沢駅での集合を検討中)
  • 目的:自分の「当たり前」にチャレンジする。雪を題材に人と自然の関係について考える。持続可能な社会をデザインする素材を得る。心と身体を解放しクリエイティブに暮らす。
  • 内容:雪を利用した生活の場づくり。薪を使った野外調理。雪山散歩と豪快尻滑り。雪像やアイスクリーム作りなどの雪遊びを自由に。
  • 対象:高校生から若い社会人12名程度。
  • 条件:実施の10日前(3月9日)から、店などでの飲食や不特定多数の人たちと空間を共にすることを避け、可能な限り3密を避けることができること。実施前2週間の体温測定や体調チェック、当日の体調チェックなど、安心してキャンプができるよう、面倒ではありますが協力をお願いします。スタッフ側も同様の対応です。
  • 参加費用:22,000円(含まれないもの:自宅からの往復交通費、装備レンタル、19日の食費・風呂、20日の朝昼食)

 申し込みと問い合わせは、以下のフォームからお願いします。参加決定の方にはさらに、体調やアレルギーなどに関する細かな情報を出していただきます。

Seeds from Yap, Story #1 Ms. TOUME Tomoe

From Ishigaki Island to Yap Island and return to Ishigaki Island

Eco- and Human-friendly society created by Island lifestyle

It has been around 30 years since the “Yap-Japan Cultural Exchange Program” started. More than 400 participants including observers have stepped on the soil of Yap Island. Now, 30 years have passed, how do the people with a common experience in Yap Island have spent time for quarter century and what are they facing now?

As we celebrate the 30th anniversary of the program, we are going to start a column series “Seeds sown in Yap” . Here we are going to introduce the subsequent stories of participants, so that we can look back on the value and meaning of Yap island once again and get some hints on how we live and contribute to the creation of a sustainable society in the future.

The first storyteller is TOUME Tomoe, a participant in 1993. She was born and grew up on Ishigaki island in Okinawa prefecture and still lives on the island as a mother of five children. How has her experience in Yap affected her life? The first storyteller is TOUME Tomoe, a participant in 1993. She was born and grew up on Ishigaki island in Okinawa prefecture and still lives on the island as a mother of five children. How has her experience in Yap affected her life?

Program 1993 in Yap island. Tomoe is the third person from the middle right.

Spending time surrounded by nature, tradition and culture.

Weaving is like a meditation. There is joy in creating something by my hands. Spinning thread, tailoring and dying.. Here, we are still tailoring Kimono (a traditional Japanese attire) by ourselves for festivals, starting from growing hemp.

オンラインでインタビューに答えてくれた當銘朋恵さん
Online interview with Tomoe

Tomoe has been busy raising her five sons on her hometown Ishigaki Island. Besides helping her family’s pineapple farm, she enjoys weaving, supporting after school children care, nature games and starry sky guide.

From Tomoe’s words, you can feel the culture and traditions from the time of Ryukyu kingdom and the breath of nature around her. She has always loved nature since she was a small child.

I could enjoy seeing creatures, leaves, whatever in nature. I felt like there are treasures all over the place and the earth is shining. I was wondering why I had only one body.

While she grew up in affluent nature in Ishigaki island, she also had an internal struggle.

If I loved nature too much, I started hating people. I couldn’t forgive the destruction of nature and environmental problems caused by human. There was a problem with the new airport and red clay around this place. The rain flowed the red clay into the ocean and the water was colored with red which was painful as if blood was flowing.

She had a hard time when she was highschool and university student to know more and more about environmental problems. She refused the work which benefits humans such as teachers, doctors and farmers and decided to study biology at Ryukyu university. That time she came to know the Yap island programm.

From Ishigaki Island to Yap Island

I happened to see an article about the introduction of the program in the newspaper. It was a tiny article and the submit due date was a day after. That time I saved money by working part-time to go to Africa. So Micronesia was a place where I didn’t plan to visit.

Her instinct led her to make a phone call to Ecoplus even though she didn’t have clear purpose yet. I think a lot of participants of the Yap Island program are connected by chance like her.

There are a lot of similarities between Okinawa and Yap island. As you go from Ishigaki to Guam and Yap, the same plant grows bigger and bigger. Her first impression of Yap Island was to see a way bigger size of familiar leaves in Ishigaki.

The first activity was to drink coconut juice and weave mat with coconut leaves. We put the weaved mat on the ground and slept together in the same mosquito net. And we made natural flush toilets on the river. We always cooked together. But gradually we used up the food stock and at the end we ate rice with jam! Then local people felt pity for us and brought ready made food such as coconut, crab soup, giant clams and so on. It was very delicious.

She really enjoyed the life of creating their own life together in Yap island. She explained us as we can imagine the picture of 30 years ago.

Learnings from vegetable garden in Yap Island
A way of life that you can get anything you need from nature

During ten days in Yap Island, she had some experiences which influenced her life.

I strongly remember the memory of my homestay at Rosa’s family. One day she let me visit their vegetable garden. We kept walking in the jungle and suddenly she stopped and said “This is our vegetable garden”. I was surprised because it just looked as same as other parts of the jungle but when I observed it carefully, I could find beans, pumpkin, watermelon and so on. It was so shocking for me to know that they can get whatever they need from nature without deforestation. And I felt the environment is so affluent. We went back home with a weaved basket full of vegetables.

We can live if only we have coconut and fish.”  These words of local people changed Tomoe who used to hate humans. She had started to think that she could do something for them. “I want to do something for these people, I think I can do something.” “The experience was the most effective for me. If I didn’t visit Yap island, I might be a very disgusting person. I could somehow appreciate everything after coming back to Japan. The learnings from Yap island could gain little by little.

Tomoe was impressed by the way of life that does not burden the environment  and she found out the possibility of sustainable agriculture. She studied Permaculture in the United States and Australia and got the licence as an instructor. Even though she used to refuse to be a farmer, the experiences in Yap island shifted her way of thinking about agriculture as the important connection between humans and nature. Her experience shows us the strength of place based learning and the value of one’s awareness.

Everyone is different, everyone is special.

 After she went back to Ishigaki island, she got married and gave birth to 5 sons.

I wanted to try growing up our children in a natural way. So I gave birth my first son in the hospital but 4 other sons were born at home with my husband’s support. Just as Yappies 3 years old children walk with small knives, I let my children hold a knife and use a saw and screwdriver fleely before they become 1 years old. Some people around me said something to me though.

After children grow up, she has started working on star guides and nature games for children which is her lifework. The essence of nature games is not the knowledge itself but to feel nature with 5 senses.

You cannot see the real appearance of the flower once you think of the name of it. I think it is more important to feel the beauty, uniqueness and any other sense of feelings. Nowadays there are some children who have never seen frogs in Ishigaki Island. Sometimes I’m shocked to know some children experience nature itself for the very first time.”

I love the word “Everyone is different, everyone is special”. I can feel the word as the common thing when I am in nature

But once you look at the society, I wonder how many people understand the meaning of this sentence. I feel it in school especially. My children used to go to school with sandals but it was not allowed by the teacher. I felt constrained. I think it is better if we have space to think how to live and how to work. To understand the feeling of the connection of family, society and earth would lead us to gain the power of how to live.

Tomoe wants to let her children hold the island’s culture and nature inside themselves. While imagining the scene when she swam with a raft in the sea of ​​Yap at full moon night, she talks about her desire to let her children have such an experience someday.

Thinking of Post COVID-19 era from Ishigaki Island

Now the world is facing the problem of COVID-19, Ishigaki Island is not the exception. What does she think of this situation?

Now (26th May) the school is closing due to the pandemic, but some people around me are feeling it’s benefits. Children can be relaxed without being stressed with their homeworks.  Especially from March to May is a busy season for sightseeing in Ishigaki Island and parents usually leave their children alone. But this year I could see a lot of children and parents playing together. In addition, during this time, various creatures such as giant crabs holding eggs are appearing on the road, and they are run over by taxis and rental cars. It’s painful to see it, but it doesn’t happen this year and I’m feeling like the peaceful days are back here in Ishigaki Island.

She says every day on Ishigaki Island should not be a congestion but be more peaceful. COVID-19 would give us an opportunity to reconsider the way of sightseeing on the island.

We had 1,480,000 guests to the island with a population of 50,000 last year

Sightseeing is of course helpful for the economy however, tourists also consume both water and energy. It was actually out of our capacity, I guess. People were able to visit Ishigaki Islands with low cost careers before the pandemic. It causes the people to bring their everyday life to the island rather than enjoying the slow island time. They quickly go around the island and go back without knowing the reality. We want a lot of people to know the wonderful part of our island. That’s why I want to set a limitation of visitors and we want to welcome those who can respect and appreciate our island.

The impact of COVID-19 has put a heavy burden on our way of movement. Ironically it would lead us to think about comfortable life, the reason for moving and how to respect culture and nature where we visit. This may be true in Yap island too. Tomoe says that a more “friendly society” can be created by communicating, connecting, and respecting people and nature, and creatures.

Hopes to ECOPLUS

It was a really great opportunity for me to be able to look at human beings which I’ve kept hating, and to have a feeling of being grateful for everything within a week in Yap. I guess I was not a genuine participant but I think that the influence on people can be shown in not intended place and time. I think it is amazing that ECOPLUS has continued providing the real experience for a lot of people. There are also some stories that can only be understood among those who have experienced it. I hope the relationship will last forever.

Seeds is a good expression. ECPLUS is definitely sowing the seeds.

One seed that has returned to Ishigaki from Yap Island has spread its roots and made soil for new seeds.

Interview by KAWAGUCHI Daisuke, participant of 1999, Translation by NAOI Saki, participant of 2015

Seeds from Yap, Story #2, Ms. IWASAKI Mio

The story of a genetic researcher
From a closed space to an open world

As we celebrate the 30th anniversary of the “Yap-Japan Cultural Exchange Program” we have started a column series “Seeds sown in Yap” . Here we are going to introduce the subsequent stories of participants, so that we can look back on the value and meaning of Yap island once again and get some hints on how we live and contribute to the creation of a sustainable society in the future.

Our second story teller is IWASAKI Mao who participated in 1999 and 2001 when she was a junior high school student. Now, she is a Program-Specific Assistant Professor at the Center for iPS Cell Research and Application at Kyoto University which is headed by Dr. YAMANAKA Shinya, Nobel Prize-winning stem cell biologist.

She joined the program during the midst of Adolescence. We asked her how her experiences in Yap island gave impact on her life and research work today.

Online interview with Ms. IWASAKI Mao

Attracted by the world of gene

I’m researching several types of genes. Even if the genome is the same, the appearance is completely different if the cell type is different. I feel the differences are interesting.

iPS Cell attracts attention after Dr. YAMANAKA Shinya received the Nobel Prize in Physiology or Medicine in 2012. It is expected to take a crucial role for regenerative medicine.

Ms. Iwasaki (right in picture) with her research group members.

She speaks calmly and introspectively during the interview, but once she talks about cells, she looks like a bit excited.

Mio got interested in the human body when she was in the 4th and 5th grades of elementary school. “My niece is 10 years younger than me and she was born with a disability in her eyes. I was wondering why it is happening.

After she got interested in humanities and science through her relative, the NHK documentary program she watched when she was in junior high school accelerated her interests and had a great impact on her future.

I knew about the word “Gene” in the TV program for the first time. Humans have around 30 trillion cells and each of them contains information as same as a thousand encyclopedias.  The information is properly extracted in each place, such as the brain, liver, and bone, to maintain vital functions. It was interesting to know that each cell contains enormous information. The TV program mentioned that a lot of things have not been cleared yet. That time I thought I can do something or I have to do something for this.

In this way she aspired to be a genetic researcher when she was in middle school. On the other hand, she was struggling with a lot of suffering and frustration at that time. 

高野孝子の地球日記

新型ウィルスで、世界はどう変わる

閉じこもらずに外に出よう!

新潟県南魚沼市の坂戸山で

 2020 年4月8日、薄曇りの中に春の暖かな陽がさし、これを書く窓の外では桜が咲き始めている。その中を、小学生たちが列を作って登校している。おしゃべりしながら学校へ向かう中学生たちの姿も見える。ただし全員マスクをしている。

 新潟県南魚沼市では、3月からの休みを終えて、学校が通常に開始されている。子どもたちがグランドで動いている姿にほっとする。

 新コロナウィルスによって、日本を含む世界は3ヶ月前と変わった。国によって市民生活の制限は様々だが、日本では武漢から始まり、ニューヨークやイタリア北部などの厳しい外出制限や「封鎖」がよく取り上げられる。

 「私たちは一切外出できないの。お隣さんとの連絡も電話。外は春。外に出たい!あなたは大丈夫?」、とモスクワの友人から。

「マニラは大変。東京はまだロックダウンじゃないの?私は元気よ」とフィリピンから。

「家にこもって18日目ですが、あと一か月続きそう。毎日散歩+一日おきに筋トレしてますが、つい飲んでしまうので体重は増加中」とは3月末にカリフォルニアの友人。

 世界のあちこちで、「Stay at home, Be safe! 家にいて、感染しないで!」のかけ合いがされている。

 日本では罰則を伴う「禁止」ではないが、国や自治体、職場、あらゆるところで外出自粛が要請されている。そして今回の緊急事態宣言で、7都府県ではさらに強く要請されている。私が暮らす新潟県では、緊急事態宣言がされた7都府県との往来を避けるよう、強い要請が知事から出された。

 現在、ウィルス感染から身を守るためには、ウィルスに触れないこと、人との接触をできるだけ控えること。そのためによく使われるのが「不要不急の外出を控えて」の言い回しだ。

 コンサートや舞台が中止になり、図書館や博物館までも閉館される。音楽や芸術だけでなく、自分が暮らしを立てている仕事が、社会でどんな位置づけなのか、改めて考えた人たちは少なくないだろう。

 私が関わる野外・環境教育も同様だ。入試にないとか、もうけにつながらないなどと、「主流の思考」からは後回しにされがちだ。しかし人類が生き延びるために欠かせない基盤を提供するものであり、環境危機に直面する今こそ大事な分野だと、自信と危機感を持って取り組んでいる。野外・環境教育をしっかり経た人たちは、災害時や非常時に強い。物理的に必要なものを取り出す知識と技術があるということだけでなく、シンプルに暮らすマインドセットに切り替えることができるからだ。それには工夫する力や逆境を楽しむ力も含まれる。

 コロナウィルスの感染が広がり、物理的に人と会うことが制約される中、人と人が関わりあい、直接体験から学ぶことを大切にしているこの分野では当然、頭を抱えている。それでも仲間からは次のような動画が送られてきた。

 今回のような状況の中で、誰かと直接交わることの大切さを実感している人たちは多いのではないか。オンラインで話はできる。でも誰かと物理的に空間を共有し、話を交わしたり一緒に活動することは全く異なる体験だ。それは5感を刺激し、生きるために欠かせない喜びや感動をもたらす。

 家族との時間が増え、これまで家にいる時間が少なかった分、充実しているという声も寄せられている。私自身、放置していた家の片付けをしたり(少しだけ)、両親と会ったり、夫が作る手料理を楽しむ機会になっている。一方、限られたスペースに小さな子どもといる時間が増える分、苛立った親による暴力も増えているという。

 人間には、人と交わることも欠かせないし、一人のスペースも必要だ。急に誰とも会わない暮らしになり、かつ感染のリスクなどの恐怖もあり、心身に支障がある例も増えていると聞く。

 外出自粛要請は、人と人の接触による感染を防ぐため。だから、一人または家族で外に出て、散歩や山歩きなど、自然の中での活動をどんどんしてはどうか。緊急事態宣言がされた自治体や都市部に暮らしていても、家の周りをよく観察すれば、たくさんの小さな自然やおもしろい発見があるはずだ。これまでの研究で、自然の中で身を置くこと、体を動かすことの、身体上並びに精神的な健康効果は証明されている。閉じこもって別の病気になっては意味がない。芸術や音楽鑑賞も、人間の健康維持に必要だ。市中感染の状態にない限り、来場者が静かに回れる博物館や美術館は対策を取ってオープンすべきだと思う。

感染の後の世界

 「まだ、私たちは耐えなければなりません。しかし、必ずよりよい日がやってきます。私たちは仲間、家族ととともに過ごせるようになるはずです。私たちはまた会えるはずです」。英国エリザベス女王が5日の日曜日にコモンウェルスの人々に語りかけた。

 ウィルス感染がおさまった後の世界は、3ヶ月前と同じだろうか。

 私たちは3ヶ月前と同じように行動するだろうか。1年前にやったことと同じことを同じようにやるのだろうか。

 おそらく答えは「否」だろう。でも何が変わるのだろうか。

 大きな変動の時は、大きな変化の時でもある。自然界ではそうだ。個人でも、1ヶ月あることを続ければ、それ以前とは違う習慣を身につけることになる。2011年の原子力発電所の事故の後、多くの人たちにとって節電を続けるのが当たり前になったように。社会規模でもそうだろう。大きな苦しみや痛み、そして努力を伴うが、1995年の神戸大震災は、社会作りに市民の力が大きくなるきっかけとなった。2011年の東北大震災で、日本は大きく変わると言われたが、結局向いている方向は変化していないという人たちもいる。そしてこのコロナウィルスが招いている事態は、3.11以上だとする言説は多い。なぜならこれは、日本だけでなく、世界中、それも国際政治経済の中心にある国々に大きな影響を与えているからだ。

 この世界的感染爆発は、社会を変え、より良い未来を作るためのまたとない機会とする一方、すでにある不正義をさらにひどくするだけだとするものもある。カナダの作家ナオミ・クラインは、権力はこうした「非常事態」を自分の利益のために利用するものだと警告する。すでに見えていることもあり、私たちは注視し警戒しなくてはならない。

 多くの国々で、経済活動が抑えられた結果、交通量も大気汚染のレベルも大きく下がった。スタンフォード大学の研究者はPM2.5のレベルを解析し、この期間、中国だけを取っても5歳以下の1400人の子供と、51700人の70歳以上の人の命が救われたとした

 観光客が減った各地で、川に魚が戻り、鳥の声が聞こえるようになったという報道やSNSの書き込みがある。普段と違う時間の使い方を強いられながら見えてきたことと合わせて、ウィルスの後の暮らしに求めるものを考えるヒントがあるかもしれない。

 アメリカ人ジャーナリストのピーター・ベイカーはGuardianの記事(2020年3月31日)の中で、現状のパンデミックと環境危機について触れている。長い目で見れば、環境危機の方がずっと深刻で、人類を危機的状況におとしいれるとしながら、この二つはいくつかの点で似ているとしている。例えば、両者とも、世界中で通常でないレベルの協調が必要であること、人々の態度の変容が必要であること、どちらも長いこと確実に起きると言われながら各国政府が必要な対応をしてこなかったこと、マーケットの常識をひっくり返す強い政策が求められること。各国政府は、「環境危機」もパンデミック同様「非常事態」と認識して行動できるはずとする。

 確かに、世界各国の施策として、これまで考えられないようなことがCOVID-19を抑えるために行われ、かつ経済対策も初めてのことだらけだ。そんなことができるのであれば、環境危機に対してもこれまでにないレベルでできるはずだ。

 一方で、この非常事態を口実に、アメリカではパンデミックと関連があれば企業が汚染規制に触れても罰しないなど、様々な環境保全の規制を取っ払おうとしている。中国では企業の環境アセスメントを見送るとしている。使い捨てプラスチックを推奨するキャペーンも一部で始まっているという。ハンガリーでは政府の権限が強化された。

十分な情報を

 首都圏を含む7都府県に緊急事態宣言が出された。ニュースでは、感染拡大が収束するかどうかはとにかく国民一人一人の自覚と行動変容であるという内容や、街から人が消えたという報道の一方で、それなりの数の人が動いていて実効性はあるのか、など論じられている。

 一番嫌なシナリオは、「要請」ではラチが開かないとして、政府がさらに私権を制限できるよう権限強化の拡大を図る法律へと動くことだ。これだけはやらせてはいけない。

 新型コロナウィルス感染に関しては、各国の様子からすでに多くが学べているにも関わらず、日本政府の言動は後手に見えたり、整合性がなかったり、理解できないことが多い。

 2月の中国の様子、欧米の「都市封鎖」や連日の報道から、私たちは不安をあおられ緊張することも多い。けれども状況はあらゆる場所で一律ではない。情報に踊らされずに根拠を求め、冷静に自分で考え行動することが大切だ。それには信頼に足る十分な情報がなくてならない。

 報道を見る限り、政府がどんな根拠で決めているのか、疑問が尽きない。なぜ各国のようなレベルの数のPCR検査ができないのだろう。韓国から検査薬やノウハウ含めて輸入できないのはなぜだろう。「非常事態」なのだ。政府が重大な情報を国民から隠したり、自分たちに都合の良いように操作することは、これまで何度もあった。政府や自治体が信頼できない限り、市民・国民は従えない。私たちが納得して「協力」できるよう、重要な情報や決定過程を明らかにしてほしい。

未知のウィルスはまた必ず登場する

 気候変動は人間の活動によって引き起こされたとする見方が現在は通説であるが、COVID-19のようなウィルスによって人間が病気になるのも、人間が生態系を破壊したことによると多くの科学者が指摘する。人類にとって未知なウィルスは無数に存在する。人間が生態系を破壊することで、病原菌は動物など元々宿っていたホストからリリースされ、近くに存在するようになった人間を新しいホストとするというのだ。

 近年のSARSやエボラ熱、鳥インフルエンザなど、近年の多くのウィルスが野生動物に起因する。それらも自然界への人間の干渉が、人間の健康リスクを高めているとする。つまり今回のような感染拡大は、人間の経済活動の隠されたコストだという。

 COVID-19を押さえ込むのが当面の課題だとしても、必ずまたパンデミックはあるので、長期的な視野に立ってあらゆる対策を講じておかなくはならないと科学者たちは指摘する。

 ウィルスは昔から人間とともにあり、人間はそれらと共存するだけの集団免疫を獲得して生き延びてきたとされる。生物学者の福岡伸一は、「ウイルスは私たち生命の不可避的な一部であるがゆえに、それを根絶したり撲滅したりすることはできない。私たちはこれまでも、これからもウイルスを受け入れ、共に動的平衡を生きていくしかない」と語る(朝日新聞20.04.06)。

 次のパンデミックや他の非常事態に備える長期的戦略の一つに、人のリジリエンスを高めるような体験的な教育は位置づけられるだろう。

 今回の感染はいつどうやって収まるのか。理屈では、全世界で集団免疫が獲得されるまで続く。それには数年かかると言われているので、ワクチンや治療薬が見つかる方が先かもしれない。

 私たちはしかし、いずれ動き出さなくてはならない。それはどんな世界、社会の中であろう。どうせならより良いものを目指し、その変化、変容の準備をしながら、今を進んでいきたい。

(2020年4月7日)

Snow Camp in Niigata

陽光の中で、雪ざんまいキャンプ

Jumping into the snow 雪の中に飛び込む

ECOPLUS conducted snow camp from March 20 to 22 in a mountainous village, Shimizu in Niigata, Japan with 12 participants including high school, university students and young adults. TAKANO Takako, executive director of ECOPLUS, Shimizu villagers and 2 other staff supported the program.

 2020年3月20日から22日まで、新潟県南魚沼市清水地区で、恒例の「雪ざんまいキャンプ」を開催しました。参加したのは高校生から大学生、社会人まで12人。高野孝子代表理事ほか2人のスタッフ、地元集落のみなさんと一緒に、雪の中での2泊3日を存分に楽しみました。

Due to extraordinary warm weather condition of this winter, snow was far less than normal. We only had 50cm to 1 meter of snow at the filed where it should have more than 2 meters. However, wet snow and strong wind suddenly came when the participants began to set up the tents, toilets, the fireplace and other facilities.

 この冬が異常に暖かだったことから、例年なら2m以上の雪がある現地も、50センチから1mほどの雪しかなく、一部は地面がむき出しになっているところまでありました。みんなで調理場やトイレ、テントなどの暮らしの環境を整えようとした矢先、強烈な風交じりの雪が降り始めて、一気に冬に戻ったようになりました。

Finally they set up the living space. Creative boys’ and ladies’ toilets were built in snow decorated with leaves and trees. Cooking was also done on the snow. They cut vegetables on the snow table and made fire on the snow.

 出来上がった男女別々のトイレは、それぞれ雪や落ちていた木の枝を使ってアートに仕上げられていました。料理も雪の上。雪の上で野菜を切り、雪の上で火を付けて調理をしました。

On day 2, we enjoyed snow shoe hike under the blue sky. Using traditional Japanese snow shoes, called “Kan-Jiki,” we started walking. On the surface of snow, many animal footprints were spotted. The villager, ABE Kazuyoshi, taught us they were raccoon’s or marten’s. We also found marks of hares, squirrels and others.

 2日目は、晴天のもと、かんじきハイクを行いました。日本の伝統的なかんじきをそれぞれはいて、山の中に。雪の上にはあちこちに動物の足跡がついています。地元の阿部和義さんが「あれはタヌキ」「こっちはテン」と教えてくれます。ほかにも、ウサギやリスなどの足跡を見ることができました

During three days, we spent time on the snow; cooking, eating, talking, playing, sleeping, and so on. Villagers offered us a big pod of wild bore stew and wild deer curry and rice. They talked about life and nature now and then. We concentrated our senses on listening, watching, communicating, without being annoyed by modern devices. By simply using time just for living, participants had rich and dense learning experiences.

 3日間、私たちは雪の上で、料理をし、食べ、話し、遊び、眠るなどして過ごしました。村人からは、イノシシ鍋や鹿肉カレーなどもいただき、また山の自然や暮らしが今と昔でどう変わってきたかの話を聞かせてもらいました。この間、スマホなど「便利な」道具はほとんど使わず、聞いたり、見たり、話しをしたりすることに集中しました。暮らしことのために時間を使うなかで、参加者たちは、豊かで濃い学びを体験することが出来ました。星空を二日続けで見ることができた。自然の偉大さや厳しさを感じることができた

 星空を二日続けで見ることができた。自然の偉大さや厳しさを感じることができた。

男子高校1年生

 雪でできることがこんなにも多いとは思わなかった!クリエイティビティがあれば可能性は無限大。

男性社会人

It was gorgeous to watch so many stars every night. I felt the greatness and severity of the nature.

10th grader, boy

I was surprised to find that so many things could be done with snow. Possibility is infinite only with your creativity.

Male, business person

「生きる」ことを問い直す・・・ヤップ島プログラム2020参加者募集(2021年2月に延期します)

コンビニとスマホ漬けの日常から離れ、サンゴ礁で囲まれた南の島で、人々と暮らす

 石で出来た大きなお金、石貨(せっか)が今でも使われ、太平洋諸島で最も伝統が色濃く残るとされるヤップ島。その自然と深くつながった現地の暮らしに入れていただき、人と自然、人と人、人と社会のつながりやかかわり方について考え、本当の豊かさを見つめ直すプログラムです。

 ココヤシの殻や薪を使って火をおこし、魚やタロイモ、パンの実を調理する。大きなヤシの葉っぱを編んで作るマットで眠る。風のそよぎと虫の声に包まれた中で、現地の人たちと目と目を合わせて会話する。

 スイッチ一つ、クリック一つでものごとが動く日常とは違った、本物の生き方をしてみます。2019年の報告はこちらから

プログラム概要

【日程】2020年8月15日から26日(2021年2月に延期します
【対象】15~22歳程度の健康な男女。身体の障害、国籍は不問。新しいことに取り組み、自分の可能性にチャレンジする意欲を持つ人。
【参加費】26万円程度(渡航運賃、滞在費など。事前準備、個人装備、空港までの旅費、保険料を除く。特段の事情がある人は年内の分割払いの相談にも応じます)
【定員】:8名程度(5月10日締切、先着順、定員に達し次第締め切り)
【プログラムの流れ】
 ・説明会 2月から5月はじめにかけての随時、エコプラス東京事務所や早稲田大学などで
 ・顔見せ会 5月16日(土)午前10時から正午(予定)
 ・事前キャンプ 6月27日、28日…東京近郊でヤップでの生活をイメージしながらキャンプを行います。
 ・素潜り講習会(希望者と首都圏の潜水プールで)7月後半を予定
 ・ヤップ島へ出発!
 ・報告書の作成(9月)と報告会(11月頃)

【申し込み、問い合わせ】
 特定非営利活動法人ECOPLUS info@ecoclub.org
 03-5294-1441  03-5294-1442(fax)
 以下のフォームから連絡を下さい。これまでの報告書などをお送りします。保護者の方からの連絡も遠慮なくこちらからどうぞ。