「エコフィロソフィー」タグアーカイブ

トークセッション ダーレさんのお話

スライドを見せながら話すダーレさん
スライドを見せながら話すダーレさん

10月29日、ヴェルゲ・ダーレさんのトークセッションが行われ、17人の参加者が集まりました。きれいなノルウェーの光景のスライドを見せながら、わかりやすく話してくれました。トークの内容です。
ノルウェーは南北に細長く、北極圏にあります。北海道のような気候です。一年の半分はスキーができます。夏の気温は25度くらいです。

私の家は、築250年の小さく古い農家の建物です。オスロから学生たちが、山のことを学ぶためにやってきます。人間関係をどう構築するか、一緒に長い時間過ごすためです。

おいしいレバント料理の軽食を食べながら話を聞く参加者のみなさん
おいしいレバント料理の軽食を食べながら話を聞く参加者のみなさん

フリルフスリフというのは、英語でいえば”free air life”です。自然といい関係を築く、という意味です。

ノルウェーは日本と同じくらいの面積で、人口は500万人です。ノルウェーの人はほとんどが自然に近い暮らしをしていて、オスロに住んでいても、20分くらい行けば森や湖があります。

自然の中で暮らすこと、それが「モダン」です。自然に優しい暮らしをしなければいけない時代がもうすぐ来るからです。それは、新しい生き方なのです。

1、 2世代前まで、ノルウェーは貧しい国でした。農民たちは夏になると夏の小屋に家畜と移動し、家畜は新鮮な草を食べました。

そんな伝統的な建物も保全し利用していく必要があります。牛小屋としてかつて使われていた木造小屋を、学生のために私自身が内部をモダンに直しました。学生に私の情熱と努力を感じてほしいからです。学生に、新しい価値を提供しないといけません。自然は学びのための良い部屋であり、価値があります。トイレは、ノルウェーでは伝統的に自己内省の場所になったりしますが、私は一人用の図書館に改造しました。

ノルウェーは、海岸線の国でもあります。ノルウェー人は氷河期の後退に伴い、北上してきたのです。暖流が流れているので、冬でも海は凍らず、魚を捕れます。海沿いにも、私たちは小屋を持っています。

学生達は、これらの小屋に来て、一日自然の中で過ごし、夜はディスカッションをします。本物の質のいい環境の中にいることが大切です。

最近、「スティテン宣言」というものをまとめました。私たちは自然と共に生きる生き方がしたい、と働きかけていくものです。1966年にスティテン山のふもとに4人の登山家が集まり、テントを張って過ごしました。アルネ・ネスは、「エコフィロソフィー」(自然哲学)を打ち立て、インドのガンジーの思想から、”no way to peace” (平和こそ道であって、平和への道はない)と唱えました。今の地球規模の問題の根本は、人間の考え方にあるものです。エコフィロソフィーは、ノルウェーから世界への贈り物だとネスは言いました。

政治(エコポリティクス)、哲学(エコフィロソフィー)、教育(ペタゴギー)の3つが重なる部分がフリルフスリフです。哲学を学び、自然を学び、政治も包括する考え方が、フリルフスリフです。

東京ではできないと言われるかもしれませんが、日本でのフリルフスリフとは何か、みなさんで議論できるのではないでしょうか。

将来を考えると、ノルウェー人はもっとフリルフスリフを進めていくでしょう。変化も必要です。人とのよい関係、自然とのよい関係、文化とのよい関係、神とのよい関係、そして自分自身とのよい関係が質の高い暮らしにつながります。自分にとって大切なのは、自然にやさしい暮らし方です。自然に対する情熱は、一生持ち続けるものなので、人生の早いうちにフリルフスリフにふれることが大切です。世代を越えてつなげていくものです。

ノルウェーでは、すべての人に自然にアクセスする権利があります。ノルウェー人はもともと狩猟民族だったので野生人です。フリルフスリフと違うのはオートアクティビティ(動力を使う活動)です。装備や道具が必要で、日本にもあったような自然の中での暮らしの一部ではなく、活動として行います。

みなさんは、消費し続けることと、消費しない価値観と、どちらを選ぶでしょうか。