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栃窪の歴史と文化、自然を満喫

2010年8月15−16日、新潟県南魚沼市栃窪で「夏休み、緑あふれる山里体験プログラム」を開催し、参加した23名が栃窪の歴史と文化、自然を満喫しました。
新潟県南魚沼市栃窪で、2010年8月15−16日、「夏休み、緑あふれる山里体験プログラム」を開催しました。

参加したのは、中学校1年生から60代までの23人。東京、埼玉、千葉、大阪、京都など、普段は都市で生活しつつも、山里の昔ながらの暮らしや文化に関心を持っている人たちでした。

栃窪集落を一望できる樽山に登り、散策コースや絶景ポイントを見て回りました。
栃窪集落を一望できる樽山に登り、散策コースや絶景ポイントを見て回りました。

地元の郷土史家による歴史講演会や盆踊りに参加したほか、棚田の散策やパノラマウォークを楽しんだり、地元の女性たちが作った郷土食を堪能したりと、栃窪の歴史と文化、自然を満喫した1泊2日となりました。

このプログラムは、過疎高齢化が進む栃窪集落の地域づくりに向けて、集落内外の人が一緒になって、地域の資産を改めて見直す活動の一環として実施しました。

参加者からは、「栃窪集落周辺には意外と観光資源が多くあって、いくつかを組み合わせるとさらに充実した時間が過ごせると思った」「今持っている資源は地元にとって宝なので、これをどんな形で活かしていけるかにかかってくると思う」などの声が集まりました。

栃窪の盆踊りに参加して、地元の方々と交流を深めました。
栃窪の盆踊りに参加して、地元の方々と交流を深めました。

こうして集まった意見やアイデアを栃窪の活性化や地域づくりに活かしていきます。秋にも今回と同様のプログラムを実施する予定です。

【参加者の感想】
・すばらしい自然、人、料理・・・!最高です!
・地元の方々が温かく、気さくに受け入れてくださったことが印象に残った。
・当たり前ですが、それぞれの地域には、それぞれの深い歴史があるということを再認識した。
・歴史、自然、人々、暮らし、全て豊かでした。
・日常生活の中に「地に足をつけた」生活をできるだけ取り入れていきたいと思った。
・またくり返し訪れて、いろんな角度から見てみたい。

古道復活に向けて

写真中央奥にあるスギも切り倒し、道を開きました。このスギは数十年前に植えたとのこと。
写真中央奥にあるスギも切り倒し、道を開きました。このスギは数十年前に植えたとのこと。

6月13日の朝8時過ぎ、集落センター前に約20人のお年寄りが集りました。かの上杉謙信が関東出兵する際に通ったといわれる古道を復活させるための作業が始まりました。

 

舗装道路ができてほとんど使われなくなったという古道の復活作業におじゃましてきました。

地区の老人会「多留山クラブ」が今年度から本格的に取り組むことになった本格的な事業です。

男性がチェーンソーを使って太い枝を払ったり、木を倒したりし、後ろから女性がカマを持って草を刈ったり、切り倒した木を道の脇に片付けたりしました。

使わなくなったとはいえどんな風に道が通っていたのかを、70歳以上の方に訊ねると迷うこと無くしっかりと答えてくれます。

「養蚕のためのクワの葉を取りによくこの道を使っていた」と言う道には、今でもたくさんのクワの木がありました。

切ったクワの木の断面。樹液が滴り落ちてきました。
切ったクワの木の断面。樹液が滴り落ちてきました。

午前中の作業のみの参加でしたが、あっという間の手早さで道が整備されていきました。

栃窪の古道について、地元のみなさんがまとめた『峠の村 栃窪』には以下のような記述があります。

「栃窪から峠を越えて妻有(中魚沼郡)へ行く道がいつ頃から開かれたのかは明らかでないが、峠を上り下りをする道は幾筋か形が残っている。その道筋を見ると深く窪んだ幾筋かの道形は村から峠へ、峠から村へ牛馬が通った足跡、人間の足跡で深く掘り窪んだ道が残されている。これを見ただけでも、現在の我々が想像もつかないような通行があり、それほど数百年間の長い年月利用されて来た道であると考えさせられ峠越えの道であると思われる。それほど上田(南魚沼地方)と妻有(中魚沼地方)が交流した重要な通路で長い歴史の道であった」

確かに、草や枝が伸びているものの道筋はとても深くはっきりしているところが多かったです。栃窪の歴史を感じ、新たな一面を知ることができました。